2011.11.10

医者の卵がお教えします!電車内の雰囲気がちょっと気まずくなったときの正しい態度とは?

医者の卵をしております、あまのじゃくと申します。

医者の卵ですが、人間です。たまに電車内で一人で喋っている方を見かけると身構えます。


医学生ですから、それをどう理解するべきかは分かります。しかし、まだ医学生なので、戸惑います。

気まずい電車内の雰囲気に折り合いがつかない。

そんなときは折り合いがつくようにベストをつくします。医者の卵なので。

医学生のベストはおそらく参考になるはずです。

ですがあくまで参考程度にお願いします。

我が身を省みる

ブツブツとひとりごとを言うことを「独語(どくご)」、一人でニヤッと笑うことを「空笑(くうしょう)」と呼びます。これらは統合失調症の症状の一つです。
 
ところで、僕は恋愛モノのドラマが苦手です。一人暮らしのアパートで恥ずかしくなって顔をゴシゴシこすったり、「はわわ」とつぶやいたりします。
 
お笑い番組は大好きです。一人暮らしのアパートでテレビを見ながらツッコミを入れたり、お皿を洗いながら思い出し笑いをしたりします。

改めて文字にするとすごく寂しい人のようです。  

程度の差こそあれ、こういうことは誰にでもあるでしょう。統合失調症では「自我障害」がおきるので、自分外の世界との区別がつかなくなってしまいます。

結果として場所を選べずに独語や空笑が出るようになるのです。電車が狭いアパートに変われば、僕も紙一重のように思われます。

現実の電車内でも恋愛ドラマ顔負けの恋人たちのハッスルを見かけたり、つまらないお笑い芸人よりも面白い素人さんがいたりします。

それに対する反応もあくまで程度の問題であり、特別なものではないと考えてみましょう。

正しい知識を持つ

かつて「統合失調症」は「精神分裂病」と呼ばれていました。名前が変わったのは、精神分裂病という言葉が偏見につながるからです。

分裂」とは、精神そのものが分裂することではありません。精神の機能が連携できない(=分裂する)という意味です。そこで、精神の「統合」が「失調」している「症候群」である「統合失調症」が生まれたのです。

しかし、名前が変わったからといって、電車内で誰かが一人で話し始めたときの、あの雰囲気が変わるわけではありません。

医療の進歩によって、統合失調症は治るようになりました(失調とは元に戻る変化という意味です)。そもそも、統合失調症は100人に1人と多くの人に発症する病気で、10〜20歳代の若者に好発します。

僕たちも決して無関係ではないのです。僕がそろそろアラサーに差しかかるからではなく、誰にでも起こり得る病気だからです。一人ひとりの意識が変われば、きっとあの雰囲気も違ってくるでしょう。

そっと見守る

統合失調症というと、「幻覚」や「妄想」といった症状が有名です。ここでいう「妄想」とは、前述の恋愛ドラマのアイドルと僕が付き合うとかそういうことではなくて、脳のメカニズムの故障による本格的なものです。

ビューティフル・マインド」「シャッター・アイランド」など、統合失調症の幻覚をテーマにした映画は結構あります。観れば幻覚とはどんなものかイメージしやすいでしょう。

「旧ソ連が妻子を人質に取り暗号の解決を強要してきた」「島の住民全員が自分に何かを隠している」などの被害妄想は、周囲を巻き込むので危険なこともあります。

電車内に不穏な行動をする人がいるときは注意を払うことも必要です。そうでないときは、そっと見守りましょう

国家規模で考えてみる

自ら命を絶つ人は、交通事故で命を落とす人6倍にもなることをご存知でしょうか。そのうち多くが心の病を抱えていたことが分かっています。

心の病は、がんと循環器の病気と並ぶ三大疾患に数えられることもあるほどです。多くの命が心の病によって失われているとしたら、それは国家にとっても大きな損失でしょう。

新型インフルエンザにたくさんの対策費をかけることができるのなら、心の病にも同じように対策を講じるべきです。スケールが大きくなりましたが、統合失調症においても根本的な治療といえます。

可能性に賭ける

有名な偉人の中にも心の病を抱えていた人が多くいるようです。例えば万有引力を発見したニュートンは、現代医学によれば統合失調症の疑いがあったといわれています。

統合失調症の患者さんは世界の本質直感的に捉えるひらめきに優れているとされています。一方で、その説明は苦手であることが多いようです。

もし周囲の目が変われば、電車内の雰囲気も暖かくなると思いませんか。

だって本当はその電車内で、世界を変えるような独創的な発見が、今まさに生まれようとしているのかも知れないのですから。

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