2011.12.11

いざというときにあわてない!医者の卵の教える正しいAEDの使い方チェックリスト

救命救急については、以前の記事でチェックリストを作成しました。でも、あのチェックリストで説明できなかった部分があります。

それはAED(自動体外式除細動器)についてです。


AEDは音声案内に沿えば正しく使用できます。しかし、予備知識が全くない状態では一刻を争う操作に自信が持てないことでしょう。

では、チェックしてみましょう。

今回もどんどん参考にして実践してください。

はじめに

自動体外式除細動器AED:Automated External Defibrillator)は、心臓が異常な状態になったときに、それを正常に戻すための医療機器です。

医療ドラマなどで見かける除細動器(電気ショック)の一つですが、動作が自動化されているため、医療者以外でも使用することができます。

日本では救急車が現場に到着するまで、平均で約7分かかるとされています。ここでAEDが必要となる心室細動の場合、一刻も早く電気的除細動を行なわなければなりません。

いのちを救うためには、7分も待つわけにはいかないのです。カーラーの救命曲線によれば、心臓が停止して3分経っただけで、死亡率およそ50%にも上昇します。

一方で、救急車の到着より前にAEDを使用した場合は、医療者が駆けつけてからAEDを使用するより、救命率数倍にも上昇します。

AEDをなるべく多数配置することはもちろん、多くの人がAEDに関する知識を持つことも重要です。

AEDが到着したら

AEDが届いたら、すぐにAEDを使う準備を始めます。このとき、傷病者に対してはすでに心肺蘇生法が行われているのが理想です。

AEDにはいくつかの種類がありますが、基本的にどの機種も同じ手順で使えるように設計されています。

電源が入ると音声メッセージランプによる指示が始まり、するべきことをAEDが指示してくれるので、落ち着いてそれに従えば問題はありません。

AEDを準備するときの具体的な手順は、

  1. AEDを傷病者の頭の横に置き
  2. ケースから本体を取り出す
  3. AEDのケースを開け
  4. 電源ボタンを押す(ケースを開けると自動的に電源が入る機種もある)

です。電源を入れたら、以降は音声メッセージとランプに従って操作します。

成人だけでなく、小児(おおよそ1〜8歳)にもAEDは使用できます。
1歳未満の乳児に対して、AEDは使用できません。

心電図の解析

ガイダンスが始まると、まずは電極パッドを貼るように指示があります。

具体的な手順は、

  1. 傷病者の衣服を取り除き
  2. をはだける
  3. 電極パッドのを開封し
  4. 電極パッドをシールからはがし
  5. 粘着面を傷病者の胸にしっかり貼り付ける

貼り付ける位置は電極パッドに絵で表示されています(右鎖骨の下左脇の5〜8cm下)。
電極パッドを貼り付けている間も、できるだけ胸骨圧迫続けてください


電極パッドは、肌との間にすき間ができないように、しっかりと貼り付けます。

アクセサリーなどの上から貼らないように注意しましょう。特に、金属製のアクセサリーなどでは通電してヤケドの原因になります。
傷病者の身体が濡れていないことを確認しましょう。感電の危険があります。
胸毛も電気の伝導率を下げます。多くの場合、AEDのケース中にはカミソリが入っているので、胸毛が濃い人ならその胸毛を剃りましょう。
傷病者が女性胸が大きい場合は、両方の胸を避けて電極パッドを貼り付けます。
湿布薬の上から電圧をかけると、薬剤が発火することがあります。湿布薬は剥がしておきましょう。
成人用小児用の2種類の電極パッドが入っている場合がありますが、成人の傷病者には小児用の電極パッドを使用してはいけません

電極パッドを貼り付けると、音声メッセージから傷病者の身体に触れないように注意があり、自動的に心電図の解析が始まります。

このときは、周囲の人に対して傷病者から離れるように注意を促します。心電図の解析に影響が出てしまうので、誰も傷病者に触れていないことをしっかり確認しましょう。

電気ショック

心電図の解析によって、AEDが電気ショックの必要があると判断すると、「ショックが必要です」などの音声メッセージが流れます。

当然、電気ショックが必要ないという判断もありえます。電気ショックが不要な人に対して電気ショックをするわけにはいきませんから、余計に心電図の解析は重要です。

ここで自動的に充電が始まります。充電には数秒かかります。

充電が完了すると、「ショックボタンを押してください」などの音声メッセージが流れます。ショックボタンが点灯し、充電完了の連続音が出ます。

充電が完了したら、いくつか確認しなければならないことがあります。

  • 自分が傷病者に触れていないこと(I'm clear)
  • 他の人が傷病者に触れていないこと(You're clear)
  • 周辺に酸素ボンベなどがないこと(Oxygen clear)
  • 誰も傷病者に触れていないこと(Everyone clear)

酸素ボンベに注意するのは、漏れた酸素引火することがあるためです。

以上の点に注意して、ショックボタンを押しましょう。

電気ショックをすると、傷病者の身体は一瞬けいれんのようにビクッと動きますが、これは正常な反応です。

おわりに

電気ショックが完了すると、「ただちに胸骨圧迫心臓マッサージ)を開始してください」などの音声メッセージが流れます。

ただちに心臓マッサージを再開しましょう。心臓マッサージ30回人工呼吸2回の組み合わせです。

心肺蘇生法を再開して約2分経つと、AEDは自動的に心電図の解析再び行います。

以後は、ここまでの手順を、約2分間おきに繰り返すことになります。

重複しますが、心肺蘇生法を中止するのは救助隊に引き継いだときと、傷病者が動いた正常に呼吸をし始めたりしたときです。

救急隊が到着したら、傷病者の倒れていた状況、実施した応急手当の内容、AEDによる電気ショックの回数などをできるだけ正確に伝えます。

AEDは自動的に心電図波形や加えたショックの回数等を記憶しています。

傷病者が動いても、慎重に観察しながら救急隊を待ちます。この場合も、AEDの電極パッドは剥がさずに、電源も入れたままにしておきましょう。

目の前のいのちを救うのは皆さんの知識です。一度は習った救命救急の知識をもう一度思い出して、いざというときに慌てないようにしましょう。
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