2017.10.19

―あのコの恋愛事情― #従順な彼女? 編

ネイルサロンは不思議な空間。
手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。

そんなネイルサロンで繰り広げられるみんなのリアルな恋のお話をお送り致します。

※許可を頂いたものだけ掲載しています。
※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。

◇おしゃれがかわいいとは限らない

「肩出して何がいけないんですかね」ハスミさんの声がシーンとしたサロン内に響く。
ハスミさん、彼とケンカしたらしい。理由はハスミさんのファッションのことだ。

女子がかわいいと思う服装を男子もかわいいと思うかは別の話しで、おしゃれが「かわいい」とイコールになるかというと、そうばかりでもないのが難しいところ。

ハスミさんの場合は、デートの日にオフショルダーを着ていったことが全ての発端だ。「かわいい」て喜んでもらえると思ったら「バカっぽく見える」と彼に言われて、その場で喧嘩して帰ってきたまま。目下冷戦中なのだ。

そりゃ、自分なりにおしゃれしてうきうきで向かったデート先でそんなことを言われたらキレるよね。

◇「おしゃれは自分のため」マジック


まだ、今ほど女性が自由じゃなかったころ「おしゃれは自分のためにするべき!」「男性のためにおしゃれをしているわけじゃない」と答えるのが流行ったような時期があった。

自立した大人の女性であるには、服装を男性の好みに合わせるなんてとんでもないナンセンス。「あなた”自分”ていうものがないの?!」なんて、詰め寄られたりした時代だ。

「おしゃれは自分のためだ」で言うことが”かっこいい”という風潮があったのは事実なんだけれど、大人になるにつれ思う。他人に合わせられるからこそ大人なんだと。

◇おしゃれが不機嫌を生む

何も彼に限ったことではなく、一緒に並ぶ友人や、先輩、家族など、その瞬間の「時間(とき)」を一緒に過ごしている人が「この人目立ちすぎ」とか「一緒に歩くの嫌だな」て思ったら、楽しいはずの”おしゃれ”が不機嫌を生んでしまう。

頭では「個人の好みだから」てわかってはいても、やっぱり「その恰好は…」という感情がわいてしまうときは絶対にあるのだ。

それがたまたま、彼にとっては「オフショルダー」だったわけで、せっかくの楽しいデートが喧嘩になってしまったわけだけれど。

ハスミさんの言い分は良くわかるし「バカっぽく見える」なんて、彼も言葉選びを間違えたな、とは思う。

けれど、怒りだけを彼にぶつけたってまた同じことが起こるだけでなんの解決にもならないわけで。

◇おわりに


「彼はハスミさんの肌を他の人に見せたくなかったのかもしれないですけれど、本当にそういう服装が嫌いなのかもしれないですね。にしても、その言い方はないな。」

彼の味方になっているように聞こえたりしないよう、最新の注意を払って言葉を選ぶ。
「ですよね!」ハスミさんの鼻息も荒い。
「でも、大好きな彼だとしたって、全身に龍の書かれた洋服とか着てきたらちょっと引きませんか?」
「それはひきますけど…」
「彼にとっては、オフショルダーと全身龍を同じに感じちゃったのかも。」

少し笑いながら答えたら「龍とオフショルダーじゃ全然違うじゃないですかぁー。」なんてハスミさんも笑った。

「洋服の好みを彼に合わせることって”従順すぎていや”ていう人もいますけれど、もっとシンプルな考え方でいいかもしれないですよ。だって、先輩と食事に行くだけでも服装は気を付けますよね?」

「彼といえども他人なわけだから、彼が”嫌だ”と思わない程度の服装を、ていうのはTPOかもしれないですよ。」
ハスミさんが考え込む。

「従順じゃダメ!みたいな風潮もありますけど、お店のドレスコードに合わせたり、一緒に過ごす人に合わせたりするのは大人のマナーかも。彼も言い方が悪かったですけど、次回会うときは少しだけ彼の好みに合わせてあげてもいいかもですよ。」
そう答えた私を見ながら「大人だなぁ」なんてハスミさんがため息をつく。

「従順」て悪いことじゃない。
「従順」て「言いなり」てことでもない。「この人が気分良く時を過ごせるように、服装の好みを一応聞いておこうかな」て思うことは「従順」とは少し違うと思う。

にしても、何でオフショルダーを「バカっぽく見える」なんて言ったのだろうか。
人様の服装に対して「バカっぽく見える」なんて言ってしまえるなんて、まるで礼儀がなってないのである。

「ですよね!やっぱひどいですよね!」
ハスミさんの鼻息がまた荒くなった。(川上あいこ/ライター)

(ハウコレ編集部)
(かしゅかしゅ@cashe_cashe2525/撮影)
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