2017.10.24

彼のプライドが傷つくとき、それは

ネットで「男のプライドとは」と検索したら、グーグル先生が続けて「めんどくさい」と出してきます。

多くの人がそういうワードで検索している、というだけのことですが、グーグル先生、ご明察。男のプライドって、めんどくさいものなんです。
そのめんどくさいものが傷つくときもまた、めんどくさい。

■「立ち止まって考えられないこと」すべてがプライドです

たとえばネット界隈でよく言われるのは、彼女のほうが年収が高い場合、それを彼に言ってはいけない(なぜなら彼のプライドが傷つくから)、ということです。

俺のほうが年収が低い→即プライドが傷つく。
ウソでしょって話ですが、おそらくそういう男子が多いので(多いと認識している女子が多いので)、こういうことが複数のネットメディアに書かれています。

俺のほうが年収が低い→「でもまあいい、お金はあるほうが払えばいいし、今は年収が低くても、あとになったら俺は稼げるし」と思う男子は少ないのでしょうか?

あるいは、彼女のほうが年収が多い→「ラッキー!」と思う男子……少ないのでしょうか?

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このように、男のプライドって、「立ち止まって考えられないことすべて」がプライドです。

彼女に運転が下手と言われた→プライドが傷ついた。このケースだって、立ち止まって考えたら(車を路肩に停車させるのではなく、たとえとして立ち止まって冷静に考えたら)、なんてことない話なはずです。

運転がうまい下手、というのは、空間を立体的に認識する能力が高いか低いかという、いわば持って生まれたものが左右することもある、こう言われていることを知っていれば「おれより彼女のほうが立体的に空間を見る能力が長けているんだな、彼女、すげぇな」と思っておしまいなはずなんです。

■知らないことを知らないと言えることって、すごく快感!

つまり、彼のプライドが傷つくときというのは、ある種の男子にしてみたら「おれより彼女のほうが優れていると認識してしまった、すべてのとき」です。

物事を立ち止まって冷静に判断できる男子のプライドは、そう簡単に傷なんかつきません。そしてそういう男子は少ないので、男のプライドは簡単に傷つく、ゆえに彼女としてうまく立ち回ろう、という知恵のようなことがネットにたくさん書かれているのです。

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一般論として、人は歳を重ねるにつれて、人格がまるくなっていくと言われます。それは「余計なプライドが心から剥がれてくるから」です。

たとえば若いうちは知らないことを「知らない」と言えない人が多い。あなたの会社にも、そういう男子、いますよね?

「知らない」と答えてしまうとバカだと思われてしまう、ゆえに俺のプライドが傷つく、だから適当な答えをする(あとからウソがばれる)。あるいはグーグル先生にソッコーで尋ねる、など。

でも上手に歳を重ねた人のなかには「知らないことを知らないと言えることって、すごく快感だ」と言う人もいます。余計なプライドがなくなったんですね。なぜなくなったのか?
この分野ではアホに思われても、ほかの分野で俺は秀でている、というものを持っているから、というのが、1つの答えです。

■彼のプライド、どんどん傷つけてあげてください


つまり若いとどうしても「ひとかどの人(とくべつ優れた人)」になりきれないので、うわっつらばかりの見栄を張りたくなって、自分の気持ちにウソをついてしまうこともある。

でも歳を重ねると「できることは、ほかの人よりよくできる」から、見栄を張ろうという発想じたいがしぼんでくる。

ということで、ひとかどの人ではない若い男子の多くは、簡単にプライドが傷つきます。
「プライドと呼べるほどのものなんか、少なければ少ないほど生きていきやすい」こういう事実を知るために、男たちは今日も真剣に、彼女にプライドを傷つけられに、デートの待ち合わせ場所におもむくのです。

彼のプライド、どんどん傷つけてあげてください。人格がまるい人間が増えたほうが世の中平和で、なにかといいと思いませんか?(ひとみしょう/文筆家)

(ハウコレ編集部)
(ササキミウ @M_Y_3733/モデル)
(Yoshifumi Shimizu/カメラマン)

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