2010.03.05

ゆったりぐっすり、安眠術

春眠暁を覚えず・・・とにかく眠い季節がやってきました。寝不足でもないのに朝から眠い。午後も眠い。ついウトウト・・・そして夜になると眠れない。眠いはずなのに寝つけない。寝てるけれども起きてたみたいに眠りが浅い。当然、翌日はまた眠い。これでは疲れは取れません。眠れないことへのストレスも溜まります。

できることなら、すんなり眠れて、熟睡爆睡できて、スッキリ目覚めたい、ですよね。そこで、この季節に陥りがちなプチ不眠を、就寝前の簡単な習慣で改善できる方法をご紹介します。

*心的病気が原因の不眠治療の場でもアドバイスとして用いられる方法ですが、そういう方はできるだけ病院で適切な治療や薬の処方をしてもらってください。


①お風呂の温度

人が眠っている時、副交感神経が働いています。リラックス状態です。お風呂やシャワーを浴びている時は逆に交感神経が働いています。緊張状態です。人が睡魔を感じて眠りに入るときは、交感神経から副交感神経に移行する時。つまり緊張から緩和へと体がゆっくりと移るときです。これには体温が大きく関わっています。

熱いお風呂に入ってすぐにベッドに入ると、神経は立ったまま。シャワーだけで適当に汗だけ流して床に就くのも同じこと。皮膚の表面だけ急激に温められて、体の芯は冷えたままなので緊張感でいっぱいです。
ぬるめのお湯でゆっくりと内側から温まってから上がり、その熱がもとの体温に自然にゆっくりと下がり始めてからベッドに入りましょう。

②部屋の明るさ

入浴後、もとの体温に戻っていく暫くの時間、部屋の明るさも大きな鍵です。就寝前の30分から小1時間といったところでしょうか。部屋の照明は煌々と点けずに、やや薄暗い程度に落としてみましょう。光量を調節できるような洒落た照明器具がない、というお宅でも、例えば廊下や隣室の明かりを点けてドアを開けておく、手頃な明かりのスタンドを置く、など方法はあります。

光は目から入る刺激です。交感神経がビンビンします。明るすぎる部屋から突然暗闇に寝転んでも、体の緊張はすぐに治まりません。テレビの激しい映像や大きな音も同じで、視聴覚の神経が立ったまま。
落とした照明で、静かめの番組や音楽をかけ、日中から緊張していた神経を緩めてあげましょう。

③目と口の緊張を取る

眠れない人や眠りにくいときというのは神経が立っているから、と何度も書きました。体全体の緊張感は大の字に寝転ぶだけでも粗方は緩むものですが、不眠の元凶“脳ミソの緊張”というのは眠るまで、ヘタしたら眠っていてさえ緩んでいない場合があります。脳ミソの緊張を緩みやすくする方法をふたつ。

ひとつめは目の緊張を緩和すること。ベッドに寝転んだら、全身の力を抜き、両手の指3本(人差し指、中指、薬指)をくっつけてそれぞれ片方ずつ瞑ったまぶたにそっと載せます。ちょうど眼球のくぼみに納まる感じ。そのまま力を加えず3分ほど載せておくと、指の体温がまぶたに伝わり、次第に眼球の裏までじんわり温まっていくのが感じられます。これは日中に酷使した目の疲れを取るのにも効果的。目の奥から脳ミソまでじ~んわり緊張がほぐれます。

これでも緊張が残る場合、次は口元。不眠の人は寝ていても口元に力が入っていたり、歯を食いしばる傾向があるのでそこをほぐしましょう。割り箸を割った片方の1本を用意します。ベッドに横になり、口にくわえてください。タテじゃなく、ヨコに。噛んではダメです。口角に軽く橋渡しのように載せる感じで。ちょうど割り箸の厚み5mm程度、うっすらと唇が開いていますね。これで充分に口元、アゴ、頬骨の緊張が緩みます。

寝返りが打てないじゃないか、と思うでしょうけれど、ずっとくわえてなくていいんです。寝返りを打つときに口から外れても、そのまま放っておいていいし(外れないってことは噛み締めすぎです)、まだ眠れなくて再び上向いた時にくわえ直してもいい。

外れて枕元に転がった割り箸で顔を怪我した話は聞いたことがありませんが、心配なら離れた場所に放ってください。

④羊を数えるよりも・・・

羊を数えるという最もメジャーな方法。試したことのある人がほとんどでしょう。その効き目のなさを体験した人も多いと思います。これ、20匹数える間に眠れたなら、そもそも不眠でもなんでもないわけで。

ある程度の数まで数えても眠れないとなると、今度はいくら数えたかが気になったり1から数え直したりして、ますます脳ミソが活性化されてしまいます。眠れないほど神経質な時に、数を数えるなんて左脳を刺激する行為は逆効果。明日の仕事の段取りや服装をあれこれ考えるのもよくない。楽しみな計画もダメ。興奮します。
先々の事を考えるよりも、今日一日の小さな幸せ、ほっこりした暖かい出来事を思い出すくらいが、リラックスできる脳内成分セロトニンが分泌されるのでよいです。

また右足から順に右腕、右肩、頭、左肩、左腕、左足・・・と全身をぐるりと一周する形で、各部がベッドの底へゆっくり沈み込む感覚を順番にイメージしていくのも効果的です。あくまで、真剣に考えこまずにイメージしてください。気持ちいい、心地いい、が大切です。

⑤寝酒は逆効果

飲まなきゃ眠れない、ということでついつい寝る前にお酒を飲む。わかります。わかりすぎるほど、よくわかります。

でも、人は寝ている間に消化分解をしています。つまり寝ている間も内臓はフル稼働です。疲れが取れるわけがない。

また酔っ払っていると熟睡できていると勘違いしている人も多いですが、実際はシラフで寝るより眠りが浅いことがわかっています。空腹で眠れないから夜食で満腹にしとこう、も同じくNG。内臓負担どころかメタボ一直線です。ノンアルコール状態でも、空腹状態でも、意外にしっかり熟睡できた経験を積むと、そんな習慣は自信を持ってやめることができます。

ただ、「今日は酒飲んでないから眠れなかったらどうしよう」という懸念が頭をよぎってしまったら・・・軽く1杯程度は飲んだほうがいいかもしれません。その不安に囚われて、気がかりになってしまって、懸念が懸念で終わらなくなってしまいますので。

最後に

眠った方が疲れは取れます。そのために、よく眠る工夫は大切です。でも、寝なきゃ、寝なきゃと思えば思うほど、眠れなくなってしまいます。誰にでも、眠れない夜は必ずあります。眠れないことに焦りや不安を抱かず、こんな夜もあるわ、と受けとめることも大切。

かといって、朝までゲームに興じたり、飲みに出かけてオールナイト、とか無謀な行為はお薦めしません。習慣づいて、そんな人間になってしまいます。眠れなくても、焦らず、考えず、ただ横になっていてください。それだけでも、「骨」は休まってますから。

そして、寝不足に疲れて、いつかは眠れます。今晩眠れなくても、翌日も眠れなくても、そのうちいつかは眠れます。だから、大丈夫なんです。

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