2010.07.27

元石油会社の社員が教える、長距離エコドライブ術

夏休みに入り、家族や友達と海や山へ旅行に出掛けられる方も多いでしょう。そこで今日は、まる10年、石油会社のサブマネージャーをやっていた私みいみいが、燃費向上のためのドライブテクニックをお教えしましょう。

アドバイス1・出発前から燃費向上を心がける

言うまでもなく、車重は軽ければ軽いほど、燃費は良くなります。例えばフルセットのゴルフバッグ1つを積んで東京ー大阪間を1往復すると、約0.3リットルのガソリンが追加消費される事になります。1,200キロの距離を走ってたった0.3リットル!? と思われるかも知れませんが、ゴルフバックのために使うガソリンが0.3リットルなんですよ。それを思うと、ちょっと考えませんか?

もし、う~んっと思ったら、面倒だからと言って、今回の旅に不要な物を積みっぱなしにしたり、車だからと言って、要りそうにないものまでなんでもかんでも持って行くのはやめましょう。散るも積もれば山となる!小さな荷物も数が増えれば重量は間違いなく増えるのです。(そこまで判ってるんだったら、おまえが軽くなれって言われそうだけど…)

後、タイヤの空気圧チェックも忘れないで下さいね。タイヤの空気圧が下がると、回転時の抵抗が大きくなって、燃料を浪費してしまいます。タイヤの空気圧チェックは、有人サービスを導入しているガソリンスタンドなら、大抵は無料ないし100円前後でしてくれますから、事前に給油に行かれた際や、出発直後のガソリンスタンドに寄られた際、必ず申し出て下さい。

途中の給油は安いセルフスタンドでもOKですが、長距離ドライブに出る前の給油は、やはりちゃんとしたサービスステーションで無料の安全点検と共に行なわれる事をお勧めします。リッター辺り1円・2円高くても、それが旅の間の安全確保と燃費向上に繋がれば、決して無駄遣いにはならないですよね。

アドバイス2・エンジンは”出発!”のかけ声とともにかける

さて、車のエンジンをかけてから荷物を積み込んだり、家族が乗り込んで来るのを待ったりしていませんか?でも、本当に暖気運転の必要なお車に乗車していらっしゃる方というのは、よほど物持ち良いのだろうと思います。というのも、平成生まれの車はすっかり高機能になり、暖気を殆ど必要としなくなりました。真冬でも1分と要さないでしょう。

多くの車はもともと、まだエンジンが冷たい間のアイドリングは、ガソリンをどんどん燃焼させ、いち早くエンジンを温められるように設定されているので、暖気運転は石油会社を喜ばせてくれる最高の行為!!実は私も現役時代、洗車機から出した車をアイドリングし、お客様に”この後快適な運転をしていただけるよう、エンジンを暖め、車内を冷やしてございます。どうぞ、お乗り下さい!!”なんて気の利いたふりをしては、売り上げ向上に励んでいたものです。
でも実際には、本当に社内を快適な温度に冷やしたり温めたりしようと思うと、軽自動車でも5分以上、今流行のワゴン車になると、10分程度アイドリングし続けなければなりません。

一方、エンジンをかけてすぐ発進する事により、エンジンは次第に回転数を上げる事で暖まっていきます。それに伴い、車内の温度も快適化されていく。これを「ウォームアップ走行」といい、これだと、距離と燃費の両方が稼げるのです。私たちだってそうでしょう? 冬場いくら暖かい部屋に入れてもらっても、ただじっとしているだけでは、中々体の芯まで温まりませんが、軽い運動をする事によって、全身の血行がよくなり、すぐにポカポカして来ますよね。それと同じなんですよ。

という事で、みんなが乗り込んで、シートベルトもしっかり締めて、”出発!!”というかけ声とともにエンジンをかける。まず、これがエコドライブの第一歩です。

アドバイス3・一般道はアクセルとブレーキを上手に使う

車はアクセルやブレーキを踏むごとにガソリンを食う困ったやつですが、ただ単にその回数を減らせばガソリン代も減らせるというものではありません。実は、アクセルにしてもブレーキにしても、踏んでいる間中は常にガソリンを消費しているのです。ですから、アクセルやブレーキを踏む回数を減らす事より、踏む時間を減らす事を考えた方が、燃費向上に繋がる事も少なくありません。

例えば、制限速度が50キロの国道を走行しているとしましょう。車の流れは順調で、制限速度で十分走れる状態です。さあ、信号が赤から青に変わりました。今回はエコランで行くと決め、エンジンの回転数を抑え、アクセルをゆっくりと踏み込んで、徐々に加速していきます。でも、そんなに財布に気を遣わなくても、アクセルをバーンと景気よく踏んで一気に40キロまで加速しちゃっていいんです。だって、可愛い愛車には、「フューエルカット」が付いてるでしょう。

このフューエルカットは、エンジンの回転数が一定数を超えた時点でアクセルを全部戻すと、車載コンピュータが多量のガソリン燃焼なしに走行できると判断し、一時的に供給をセーブしてくれる賢いセンサーなんです。だから、次に信号待ちのため、ブレーキを踏むまで、燃料は殆ど使わなくて済みます。この走り方を「惰性走行」と呼び、後で高速道路を走る時にも重要になりますから、覚えておくと良いでしょう。

では、何故、制限速度が50キロなのにも関わらず、40キロまでしか加速しないのか? 不思議ですよね。答えは簡単で、周囲の車両とのバランスを保つ為です。もし前の車がこの技を知らず、普通にゆっくり加速したとしましょう。当然、車は思い切り突っ込んでしまう事になります。一気に加速すれば、本来なら早く目的地に辿り着ける事にはなるのですが、結局は、次の信号までの間、そのラインを走っている車は、全てが同じ所要時間で走行しなければならない訳で、これが乱れた時、痛ましい交通事故が起ってしまうんですね。そこで、せっかくの楽しい旅が、そういう悲劇を生まないようにするためにも、ここでの速度調整が必要になって来ます。

でも、ここで制限速度以下に一気に加速したのは、エコランを実践するためです。ガソリンの消費量というのは面白くて、エンジンの仕事量にほぼ比例するんですね。ですから、徐々に50キロまで加速しても、一気に50キロまで加速しても、その燃費は殆ど変わらないんです。もっと判りやすく言うと、ゆっくり派は時間で、一気派はパワーで燃料を消費しているという訳!従って、同じ50キロまで出すのであれば、それほど差は出ない燃費も、40キロまでの加速で済む事によって向上するという訳です。

しかも、ゆっくり加速していると、ちょうど50キロに達した頃、次の信号がやって来て、今度はブレーキという感じで、ずっとガソリンをまき散らしながら走っている形になるんですね。ところが、惰性走行からなら、低い力でブレーキがしっかり作動してくれるので、ここでも燃費向上が出来ます。

ただし、このテクニックを使うには、常に前の車との車間距離を広めに空け、信号や周囲の車の流れなどをしっかり把握しておく必要があります。つまり、最高の安全運転が出来る事にもなる訳です。

アドバイス4・高速道路は走行車線を走る

さあ、いよいよ長距離ドライブのメイン、高速道路走行です。ここで、いきなり愛車を襲って来るのが空気抵抗。高速道路上での空気抵抗は、速度の2倍とされていますから、例えば時速100キロで走っている場合、実際には時速200キロで走るのと同じだけのパワーが必要になるんですね。

もっと細かく説明すると、空気抵抗は速度の2乗と前面投影面積(クルマを前から見たときの面積)に比例するので、同じ普通車でも、背が低く横幅も狭いマーチやスターレットクラスの車に比べ、背が高くて横幅の広いワゴン車は自動的に燃費が悪くなってしまいます。
そこで、先ほど国道で練習した惰性走行が重要になる訳です。本線に入ったら、まず一気に80キロ位まで加速し、そこからはギアを一番上まで上げて、なるべくアクセルを動かさないように走行します。因みに、高速道路上で最も燃費のいい速度は80キロだという統計がありますから、ここはそれに合わせるのがベストでしょう。

入る車線は必ず外側の走行車線! 内側の追い越し車線では、全体の流れが高速ですから、当然空気抵抗も大きくなり、燃料消費力もアップします。それに、サービスエリアにしてもインターチェンジにしても、追い越し車線からダイレクトに入る事は出来ませんから、一旦大きく減速して走行車線に移り、そこで、また一度加速して走行してから再び減速して入るという形になります。もうお判りですね。これでは、さっきの国道のゆっくり派さんと同じ、ガソリンをまき散らして走る事になってしまいます。

そしてもう一つ、ここが大きなポイントなのですが、追い越し車線には、最初から速く走れない大型トラックや大型バスが沢山走っています。そんな大型車の後ろに付ける!! 少々鬱陶しいのは事実ですが、こうする事によって、空気抵抗は大幅に減少し、燃費は大幅に向上するのです。実際問題、追い越し車線を延々走り続けても、走行車線のみで行っても、到着時間は30分も1時間も変わらない訳ですから、あえて燃料をガンガン燃やす必要はないでしょう。

アドバイス5・下り坂はニュートラルを使わない

そうこう行っているうちに目的地も近づき、インターチェンジへと導いてくれる車線に入りました。ここからはずっと下り坂ですから、徐々にアクセルを緩め、エンジンブレーキを使って減速しながら下って行きましょう。そして、料金所では、フットブレーキを使わず、エンジンブレーキで止まる!このタイミングとテクニックが身に付けば、エコ運転の腕前も随分上がったものです。

このエンジンブレーキを使った下り坂走行術は、山道でも応用出来る燃費向上の基本中の基本で、特にオートマ車の場合、ニュートラルにして坂道を下るより、はるかに省エネになります。何故なら、例えエンジンブレーキを使用する事によってエンジンの回転数がアップしても、先ほどからずっとご説明しているように、最近の車には燃料カットのセンサーが装備されています。ですから、必要以上に油を食う心配はありません。ところが、坂道をニュートラルで下る事によって、エンジンはアイドリング状態に突入してしまいます。そうすると、アドバイス1と同じように、沢山ガソリンを消費してしまうのです。

さあ、エコランの理屈が解ったらいよいよ実践! 今年の夏はエコドライブで、地球と家族や仲間に優しい安全運転の旅に出掛けて見ましょう。

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