2014.04.19

オバンギャ漫画家に聞く!昔のバンギャルと今のバンギャルの違い


ヴィジュアル系バンドに詳しくない人に「ヴィジュアル系バンドが好き」と言うと、「ああ、XとかLUNA SEAとか?」と答えられた経験のあるバンギャルもいることでしょう。そこで、今回は、正にXやLUNA SEAの時代を駆け抜けた、オバンギャ(若くないバンギャル)で漫画家の榎本由美先生に、1980年代のバンギャルについて教えてもらいました。

1. ファッションは夏でもエナメルや皮のロングドレス

「当時はまだ『ゴスロリ』や『甘ロリ』といった言葉はなく、『バッドケイブファッション』や『ポジパンスタイル』などと言っていました。また、幼く見えるのを嫌う人が多く、編みタイツやコルセット、真夏でもエナメルや皮のロングドレスを着てレースの団扇で扇いでいる光景が見られました。年齢不詳の人が多かったですね」

当時のバンギャルさんは気温よりファッション優先、暑くても気合いで乗り切っていたようです。今のバンギャルは、カジュアル系、ロリイタ、清楚系、ガーリー系、露出系、バンドTシャツにジーパンなど、いろいろなファッションのコがいるので、一概に「こんな格好がバンギャル」とは言えませんね。

2. 情報収集はラジオと雑誌、ライブハウスに直接電話

「当時、今のようにインターネットはありません。ですので、情報収集はもっぱらラジオと雑誌(『宝島』『DOLL』『フールズメイト』など)でした。また、『ぴあ』『シティーロード』などのライブハウス予定表をチェックし、ライブハウスに直接電話をして聞くことも多かったですね。ライブ後に配られるチラシは情報の宝庫!今のバンギャルさんのように、ライブハウスの床に座るときの座布団がわりになんてしませんでした(笑)」

今はネットで簡単に情報を集められますが、ネットがない時代はライブ日程を調べるだけでも一苦労だったようです。

3. モッシュではなく「タテノリ」「パンチ合戦」ケガは日常茶飯事

「ライブ時、左右に移動して暴れる『モッシュ』は、当時『タテノリ』や『パンチ合戦』と呼んでいました。ライブ後は痣だらけ、傷だらけ。今のバンギャルのように、ルームシューズやクロックスに履き替える習慣はなかったので、ケガをしても自分の責任でした。バンドによってはステージから臓物が飛んでくることも」

今は「楽しく安全に」がモットーのようになっているライブですが、当時は常に危険と隣り合わせ。かなりの体力が必要だったようです。

4. 雑誌の文通コーナーでバンギャル友達をつくっていた

「携帯もSNSもなかった時代なので、バンギャル友達と文通をしている人もいました。今ほど個人情報流出の危険がなかったので、みんな平気で雑誌の文通コーナーに『文通希望』『カセット交換希望』など明記して本名と住所を載せていました。ただ、やはりメールと違って手紙はタイムラグがあるので、ペースはまったりしていましたね」

メールが主流の今、手紙を書く機会がない方も多いのでは? 形に残る手紙は友情の証にもなりそうです。

5. バンドマン狙いのコはいたが、バンドマンの方がアウトオブ眼中

「当時からバンドマン狙いの女の子はいました。でも、バンドマン側が女の子に対して
『アウトオブ眼中』の人も多かったです。貢がせたりヤリ捨てにしたりする人は一部だったように思います。ファンがバンドマンと付き合うということはありましたが、他のファンからの攻撃は今ほど酷くありませんでした。でも、外タレとなると競争が激しく抗争もあったようです」

これだけ激しいライブを行っていると、バンドマンのファン食いも激しいかと思いきや意外です。噂だけが一人歩きして尾ひれがついている場合もありそうですね。

おわりに

いかがでしたでしょうか。80年代のV系事情を知らない筆者にとって、衝撃の事実ばかりだったように思います。榎本先生曰く「2000年代は、私のように子育てが終わって出戻りか、80年代・90年代のバンドが復活して出戻り組が多いのでは?」とのこと。今回うかがった話はごく一部です。昔のヴィジュアル系事情についてもっと探ってみると、ますますヴィジュアル系が好きになれるかもしれませんよ。
(姫野ケイ/ハウコレ)

取材協力・・・1986年新書館「グレープフルーツ」にて漫画家デビュー。1990年代レディコミブームに乗り竹書房「ソニア」祥伝社「Feel」スコラ「Hime」にて執筆。2000年代は「漫画実話ナックルズ」「劇画マッドマックス」近年は内田康夫原作「浅見光彦ミステリースペシャル」を手がけコミックエッセイ本も発刊。ほか電子書籍、携帯コンテンツ多数。六本木cafecrowにて2014年6月にグループ展、8月に個展を予定。7月7日〜19日銀座スパンアートギャラリーにて作品展示予定。
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