2010.10.05

部下ができたら知っておきたい教訓5ヵ条~人を育てる指導術~

 「感受性」というのは、外部からの様々な刺激を感じ取る力です。大人に比べて子どものほうがはるかにこの力は強いものです。だからこそ、子どもにものごとを教えたり、やらせたりするときは正しく指導しないと、ゆがんだ形で感じ取ってしまいます。 

 スポーツで子どもに指導するときの教訓は、会社の部下の育成にも通じることで、特に新入社員や内向的な社員への指導に応用できます。いくつかご紹介しますので、参考にしてください。

教訓1: 「やらずに怒られるよりも、やって、失敗しろ」

 自分のプレーに自信がなかったり、少し気持ちが弱い子どもはやるべきことをやらずに、結果的に失敗してしまいます。こんなときはこの教訓の意味を説明して理解させます。

 やるべきことをやらなかったらそれは失敗です。やれるようになりたかったら、なぜ失敗したのかを考えて、悪いところを直せばいい。でも、やらないと悪いところがわからないから直しようがありません。やってみて失敗したのなら、失敗した悪いところ、失敗した原因を見つけて練習すればできるようになります。だから同じ失敗でも、やらない失敗と、やった失敗はまったく違うのです。

 なかなか成果の出ない部下がいたら、具体的な結果イメージだけを伝えて、とにかく自分でやらせてみてはいかがでしょう。

教訓2: 「言わずに、言わせる」

 失敗した子どもに正しいことを教えようとするときには、教える側が冷静でなければなりません。一方的にまくし立てても聞く側は怖がって言葉を受け止めることはできないのです。単に聞き流すだけになってしまいます。こんなときはすべてを話さずに、答えを言わせることが大事です。

 「こうしろ」と説明するのではなく、「どうするの?」と問いかけて、考え方を引き出します。言葉を引き出すことは、自分で考えさせることですから、失敗した原因を理解させ、修正点を見出すきっかけになります。

教訓3: 「叱るときはヒザをつく」

 子どもに対してはある程度叱ることも必要です。失敗したことの大きさに気づかせるためでもあります。叱るときは子どもの目を見るために、大人はヒザをついて目線を合わせます。立ったまま上から子どもを見ると、子どもは下を向きます。目線が同じなら下は向きません。

 部下を叱らなければならないときは、お互いに立ったままや、部下を座らせて上から叱るのは効果がありません。座って目線を合わせてはどうでしょうか。

教訓4: 「ほめるときはスキンシップ」

 上手にできたり、試合に勝ったときは子どもと一緒に喜んであげることが次へのモチベーションにつながります。このときに大事なのは、ハイタッチをしたり、肩や頭をなでてあげたりするスキンシップが、より子どものやる気につながります。一体感の相乗効果です。

 会社でのスキンシップは難しいので、相手をおもんばかる言葉や、個人的な趣味の話題を付け加えるようにします。「がんばった」、「よくやった」、「ありがとう」の他に、「週末はゆっくり好きなジャズを聴いて、英気を養って」、「サイクリングで体を動かしてリフレッシュするといい」と、ひと言そえるとおざなりな言葉にならず、より感謝の意が伝わります。

教訓5: 「理解されないのは自分の責任」

 「なぜわからないんだ! 」と子どもの理解力のなさを叱る指導者がいます。あたり前です。子どもは子どもなりの理解力しか持ち合わせていません。それなのに、大人が普段使う言葉で説明しても子どもが理解できないのは当然です。子どもが理解できないということは、指導者として失格です。

 自分自身の理解度が高ければ、ボキャブラリーをふんだんに使ってわかりやすく、興味を引く話ができるはずです。子どもに説明が理解されていなかったら、自分の力量を疑い、もっと勉強しなければなりません。

 部下が仕事の内容を理解していないのも同じこと。部下を叱るのではなく、まず自分の理解をもっと深めることが大事です。理解を深めれば、おのずと使う言葉も変わってくるものです。

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