2010.10.19

購入したマンションの売主が倒産したときの対処法

マンションの購入契約を締結したあと、引き渡し前に、万一、売主が倒産してしまったら購入したマンションはどういうことになるのでしょうか。気に入ったマンションの売主が、たまたま大手企業でないときは、このような不安が起こるものですが・・・

売主が倒産したといっても、その会社がすぐに消滅するわけではありません

世界金融危機の影響で、販売が伸び悩み資金繰りに窮した不動産デベロッパーが次々に倒産しました。2009年のことです。その余波は、2010年も続いています。
倒産した企業の中には、上場企業も多く含まれており、大手企業といえども絶対に安泰とは言えなくなってきています。

しかし、経営破綻した企業も、スポンサー企業の支援を受けながら事業を継続していく場合がほとんどです。

倒産すると一時、工事はストップします

建築途中のマンションで、売主が経営破綻した場合、建築工事はストップしてしまいます。しかし、やがて支援企業が現れて、建築工事を継続し、そのマンションプロジェクトを完遂するケースが多く見られます。

売主が変わることもあります

支援企業が現れない場合は、そのプロジェクト自体を売却するしかなくなります。やがて、格安でプロジェクトを引き取る企業が現われます。破綻企業から建築代金が取れなくなったゼネコンが引き取る場合も多く見られます。

引き取る企業は、建築工事を再開できることが確実になった時点で破綻企業から購入し、アウトレットマンションとして販売します。当然、売主は変わります。

元の売主が売買契約を履行できないので、買主は解約を主張することができます

このような場合、元の売主と売買契約していた買主はどうなるのでしょうか?
宅地建物取引業法では未完成物件の売買の場合、手付金等の金額が売買代金の5%を超えるか1,000万円を超えるケースでは保全措置を講じなければならないことになっています。
その場合、売主と保証委託契約を結んだ保証会社から「手付金等保証証書」が買主に交付されます。
「手付金等保証証書」があると、万一売主が破綻して契約したマンションが引渡されない場合は、支払った手付金等が全額返還されます。

但し、元の売主が建築工事を継続してマンションが引渡されるケースでは、いくら「手付金等保証証書」があっても支払った手付金等は返還されません。
「破綻した売主のマンションには住みたくないから売買契約は解除したい」などと言うと、購入者の自己都合による解約と見なされ、手付金放棄或いは違約金を請求される場合もあります。



支援企業が現れるまで時間がかかります

しかし、現実の問題として売り主は引き渡しが大幅に遅れるという契約違反を起こすことは間違いありませんから、それを理由に解約を申し出て、保証会社からではなく、売主から手付金を返してもらうことは可能です。

ただし、裁判所の命令で、一定期間は破綻企業の資産(預金・不動産。その他)を勝手に移動させることができません。従って、返金は遅れることになります。

倒産売主のマンションは解約するに限る

引き渡しが遅れながらも売買契約を継続して、そのまま住むという選択肢もありますが、倒産会社のマンションというレッテルは付いて回ります。

それは、資産価値の目減りを意味します。資産価値が下がっても自己居住を続ける分にはあまり気にしなくていいのですが、売却するときに影響が表れます。相場を下回る売値に下がる可能性が高いのです。

その意味から、倒産会社が売主のマンションは手放すに限ると言っても過言ではありません。

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