2010.10.26

売買契約をしたマンションを解約する際、手付金を取り戻す方法

マンション買ったのに転勤が決まった・・・。というケース、買主個人には何の落ち度もないのに、解約すると手付金を没収されてしいます。この場合の返金交渉はいかにすればよいのでしょうか。

契約解除の事由―不可抗力か、自己都合か

売買契約の解除には、不可抗力と自己都合とがあります。買い手側の事由による解除の例を挙げておきましょう。
不可抗力の最たるものは、事前審査でOKだった住宅ローンが承諾されなかった場合です。また、買い替えの場合で、持ち家売却が見込み通りに進まなかった場合も含みます。但し、契約書に明記されている場合だけです。この停止条件(駄目だったら白紙解約する旨)を契約書に記載していないと通りません。つまり、自己都合による解約扱いになってしまいます。

自己都合による解約は、言葉通り、気が変わったからやめるというものや、他にもっと良い物件が見つかったからとか、離婚することになった、当てにしていた資金が都合悪くなったからというのもありますね。

転勤は不可抗力ではないのかという疑問がありますが、このような考えは残念ながら法律的には通らないのです。あくまで買主側の都合となります。自ら願い出た転勤であっても勤務先からの指示であっても、どちらも売主には全く関係のない話だからです。

自己都合による解約は手付金の放棄が条件です

売買契約書には、「買主が解約を希望するときは、手付金を放棄してこれを行うことができる」と明記してあります。つまり、手付金は戻って来ないのです。

少額手付の契約にしておく手もある

売買契約するときは、転勤の可能性が低いと考えて臨むはずですし、手付金の額についても、売主から言われるままに「価格の1割~2割相当額」を支払ってしまいがちです。マイホームが持てることになった喜びで一杯、夢心地の状態にあるからです。

このとき、売主の要求を鵜呑みにしない冷静さを取り戻しましょう。つまり、売主が1割を要求してきても、5%くらいにしてもらうように交渉するのです。そうしておけば、万一の場合も被害は最小限ですみます。
これは、割合に簡単な交渉です。是非やってみましょう。

全額返金の可能性に賭ける

売主によっては白紙解約を認めてくれるケースや、放棄する手付金の金額を少なくしてくれるケースもあります。

買主の意向を汲んでくれるとしたら、長引くと面倒だという判断が売主側に起きるからです。
次の買い手が決まっても売買契約を結ぶことができませんし、タイミングが悪いと、その買い手すらも見つからない状態が続いてしまうからです。
まずは相談してみましょう。

交渉のコツは、ごり押ししないことです

契約上は手付金の全額を没収されても仕方ないわけですから、無理を通そうとしないことです。担当者にも感情がありますから、理不尽なことを言って来る客より、低姿勢に来る客には同情的になり、上司にかけあってくれるものです。転勤が理由の場合を例に見てみましょう。

「転勤はこちらの都合ですから仕方ないと理解していますが・・・」と前置きしたうえで、「何とか返金の方向でお考え頂けませんか」とお願いするのです。

最初は渋い顔をするでしょうが、
「このお金が返って来ないと、当分家が持てなくなってしまうので」
と懇願し、「そう言われましても」と首を縦には振らないでしょうが、更に粘って
「契約は対等でも、大きな会社対小さな個人の関係ですし、私にとっては大きなお金ですから」と、あくまでも柔らかく、それでいて笑顔は決して見せずに交渉するのが良いでしょう。

売主に協力する

売主は、手付金を返そうが没収しようが、解約になってしまう住戸は、別の買い手を探して埋めなければなりません。

そのためには、解約の承諾書にサインをして次の買い手との売買契約ができる環境をつくってあげるのです。それをしないと、二重契約という重大違反ということになるからです。
もちろん、承諾書には没収金額の記載欄がありますから、「金額は後日相談」と書いておくのです

解約の申し出は早いほど良い

建物が完成するまで日がない時期に解約となると、売主も計画が狂ってしまいますが、早い段階なら、割合簡単に返金に応じてくれる場合があります。

あくまで相手次第

マンション業者は、手付金の没収を計算に入れているわけではありません。全額返金したところで、利益計画に大きな変動が生じることもないのです。
大切なことは、お客様とトラブルになって会社の評判が落ちる懸念や、「全戸引き渡し」を早く済ませたいという思いです。

こうした判断は、タイミングだけでなく、売主の企業体質のような要素も絡んできますので、相手をよく見極めながら交渉を進めることが大事になるでしょう。

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