2016.10.07 更新

医者の卵がお教えします!外出先で突然お腹が痛くなったときの正しい対処法とは?

医学生をしております、あまのじゃくと申します。 

医者の卵ですが、人間です。ときどきお腹が痛くなることもあります。
医学生ですから、なぜお腹が痛くなるのかは知っています。
しかし、まだ医学生なので、治せません。

トイレまで間に合うかどうか分からない。
そんなときは間に合うようにベストを尽くします。人間なので。

医学生のベストはおそらく参考になるはずです。

突然お腹が痛くなることを、「急性腹症」といいます。お腹の痛みは、身体のなかで何か悪いことが起きているサインです。野球では、監督からのサインをちゃんと読み取らないと、怒られてしまいます。身体のサインもしっかり読み取らないと、大変なことになってしまうかもしれません。

お腹が痛くなったときはまず、どこが痛いのかを考えましょう。一口にお腹が痛いといっても、お腹という範囲はとても広いです。

どこが、どのように痛むのかを考えておくと、いざ病院にかかったときに、お医者さんはとても助かります。

・みぞおちあたりが痛い場合

心筋梗塞の可能性もあります。絞めつけられるような激痛が続くなら、周囲に助けを求めたほうが良いかもしれません。冷や汗をかくのも心筋梗塞の特徴です。


・急激な下腹部の痛みを感じた場合(女性のみ)

子宮外妊娠であることがもっとも多いです。すぐに病院に行きましょう。診察上どうしても必要なので妊娠の可能性を聞かれますが、どうか怒らないでください。


・おへそ周辺が痛む場合

この痛みは主に大腸の異常を反映しています。気持ち悪くなったり吐き気がしたりすれば、深刻な病気も考えられますが、たいていはただの胃腸炎でお腹が下っています。急いでトイレに向かいましょう。


・急な下痢の場合

1)お尻を締める
すぐにトイレに行けないときは、緊急処置としてお尻に意識を集中させましょう。肛門括約筋には内側と外側があり、内側は自分の意志では動かせない筋肉です。したがって、まさに水際で下痢を食い止められるのは、自分の意志で動かせる外側の肛門括約筋しかありません。

しっかりとお尻に意識を集中して、外肛門括約筋を強く収縮させましょう。筋肉の収縮という意味では、この行為はスポーツ選手が土壇場で見せる華麗なプレーと同じです。

2)腹圧を下げる
次に腹圧を下げましょう。胃腸炎で下痢を起こしている場合は急激に腹圧が上がるので、それが小腸・大腸の周りの神経に痛みとして認識されてしまいます。腹圧を下げれば、お腹の痛みは多少和らぐというわけです。具体的には、座っているよりは立っているほうが腹圧は下がります。

ちなみに、お腹を押さえながら内股で歩くのは「お腹が痛い」様子の古典的な表現ですが、前傾姿勢は腹圧が上がる下がる一方ですし、排便しやすい姿勢でもあります。よけいに苦しくなるだけなので、お腹が痛いときは姿勢を正すか、動くのがつらいなら横になったほうがいいでしょう。

3)焦らない
前述のステップにも関連しますが、焦ってトイレに走ったりすると、ほかの筋肉へと意識が分散するため、強い圧力に耐えられなくなった外肛門括約筋が弛緩し、結果的に悲劇が起こるので危険です。 

トイレには、お尻に意識を集中しながら、ゆっくりと移動しましょう。ここまでのステップを思い出せる余裕があれば、おそらくトイレには間に合います。

4)薬を飲む
身も蓋もありませんが、即効性の止瀉薬(ししゃやく・下痢止め薬のこと)を持っていれば、すぐに飲んでしまうことで事態はすみやかに解決します。医療現場でも、軽症の食中毒には、止瀉薬が処方されることが多いようです。

また、もし何日も下痢や体調不良が続くようであれば、市販薬だけに頼るのではなく、きちんと病院での診療を受けるようにしてくださいね。

・生理痛が起こる仕組み

女性の場合は、生理痛に悩まされている人も多いかと思います。この痛みの原因は、生理直前になると、子宮内膜からプロスタグランジンというホルモンが分泌されること。プロスタグランジンは、以下の3つに分けられます。

1)プロスタグランジンE1…生理痛やPMSを軽くする
2)プロスタグランジンE2…子宮を収縮させて生理痛の原因となる
3)プロスタグランジンE3…子宮の過剰な収縮を抑える

これらのホルモンのバランスが崩れることで、生理痛が起こります。特に、お肉に多く含まれるアラキドン酸は、生理痛の原因となるプロスタグランジンE2を作る働きがありますので、注意しましょう。

また、子宮周辺の血行が良くないと痛みが強まりますので、身体を冷やさず血行を良くしておくことも大切です。


・生理痛をやわらげる食べ物

1)青魚
青魚に含まれるEPAは、子宮の過剰な収縮を抑える働きのあるプロスタグランジンE3を作ります。それだけでなく、血液をサラサラにして血行を良くする効果も。

ただしEPAは、青魚の油に多く含まれているため、煮たり焼いたりすることで約20%、揚げ物にすると約50%が流れてしまいます。青魚を食べるときは、お刺身で食べるか、煮汁も一緒に食べられる水煮缶やオイルサーディンなどがおすすめです。

2)牡蠣
牡蠣に豊富に含まれる亜鉛には、様々なホルモンの合成を助け、ホルモンバランスを整える働きがあります。特に女性ホルモンの分泌を活性化させる働きがありますので、生理痛の緩和に役立ちます。

また、牡蠣には亜鉛だけでなく、血液のもととなる鉄分、リラックスに関わるセロトニンを合成するビタミンB群も含まれていて、女性には大切な食べ物です。亜鉛は不足しがちな栄養素とも言われていますので、牡蠣だけでなく豚のレバーや煮干し、アマランサスなど亜鉛が豊富な食べ物を食べるようにすると良いでしょう。

3)クルミ
クルミに含まれるαリノレン酸は、体内でEPAとDHAに変換されます。青魚が苦手な方はクルミでEPAを摂ることもできますね。また、クルミに含まれるリノール酸は、体内でγリノレン酸に変換されます。このγリノレン酸は、生理痛やPMSの症状を軽くする効果のあるプロスタグランジンE1を作り出します。

αリノレン酸は、亜麻仁油、エゴマ油などにも豊富に含まれていますので、お料理に使うオイルを変えてみるのも良いですね。

4)ストロベリー
生理の周期が乱れがちで安定しないタイプのPMSにおすすめなのはストロベリー。ストロベリーは鉄分が豊富で経血の元となる血液を補うことができます。

また、ストロベリーには胃の調子を健全にする働きもあるので、PMS期に過食に走る傾向がある人の食欲を正常にコントロールしたり、食べ過ぎてしまったときのデザートとしても、お腹の調子を整えてくれる効果があります。

ただし、生理前・生理中はお腹を冷やすことが厳禁なので、ストロベリーアイスクリームを食べることは避けてください。PMSや生理痛を悪化させる原因になってしまいます。

5)ブルーベリー
下半身の冷えがあり、腰回りや足などに重さやだるさを伴うタイプのPMSにおすすめなのはブルーベリー。ビタミンEが体の節々まで血行を改善します。目に良いとされるのもこれが理由です。

ブルーベリーは腎と肝の機能をアップさせる働きがあり、婦人科系と泌尿科系をサポートします。PMSによって引き起こされる下半身の冷え症、膀胱炎なども予防することができるでしょう。

6)クランベリー
クランベリーは血液をサラサラにすることで、血液の循環をサポートします。カルシウムも含まれているので、PMS期のイライラにも効果的です。

クランベリージュースで摂取することも可能ですが、砂糖が入っているのでカロリーを気にする人はサプリメントでの摂り入れるのがおすすめです。

7)グレープフルーツ
精神的に安定しないタイプのPMSにおすすめなのはグレープフルーツ。

仕事や学校を休みたくなってしまうブルーな気分には、朝起き抜けのグレープフルーツジュースをいただくのが効果的です。グレープフルーツは血流を助け、血液をサラサラにする手助けをしてくれます。

グレープフルーツを自分で絞ってジュースにすれば、さわやかな柑橘系の香りが広がり、アロマ効果も期待できるのですっきり爽快な気分になります。

※血圧の薬を飲んでいる人は、グレープフルーツをいただけない人もいるのでかかりつけのお医者さんに確認してくださいね。

フルーツそのものを丸ごといただくことも効果的ですが、コンビニで手に入るジュースや、ゼリー、ジャムといった加工品でももちろんOKです。おいしそうな物を選んで食べるだけでもストレス解消につながります。ぜひ参考にしてみてくださいね。

便秘による腹痛で、下剤が手元にない場合、まずはお腹を温めましょう。ブランケットや毛布、カイロなどで血流を良くしてください。温かい飲み物や食べ物で、体の中から温めるのもおすすめです。

また、下腹部の辺りで手のひらを使って大きく「の」の字を描くようにマッサージをすると、お腹が温まりますよ。ただし、便秘は慢性的であることが多いので、一時的に緩和だけでなく根本的な解消を目指しましょう。


・筋力トレーニングをする

女性に便秘の人が多いのは、男性に比べ、筋肉の量が少ないからです。排便も筋肉を使います。

むずかしい筋力トレーニングをする必要はありません。体を動かすことにより、筋肉を呼び起こすのが目的なので、ジョギングやサイクリングでも十分ですよ。


・水分を意識してとる

むくむのが嫌だからと、水分を少なめに取っていたり、利尿作用の高いカフェイン飲料ばかり飲んでいたりすると、便に十分な水分が含まれません。結果として便秘になってしまいます。便秘解消には、水分をたっぷりとることが重要です。


・食物繊維で腸を刺激する

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維の二種類があります。水溶性食物繊維は野菜や果物、海草に多く含まれており、不溶性食物繊維は大豆や小豆など、豆類に含まれています。どちらを摂取しても、便秘解消の作用がありますよ。たくさん、野菜や豆類を食べるようにしてください。


・オリーブオイルで腸を刺激する

オリーブオイルには、オレイン酸が大量に含まれていて、これが腸を刺激し、便秘を解消してくれます。寝る前に、大さじ1杯(約120カロリー)ほど飲むと、翌朝にはスッキリ。ただし、あまりおいしくはありません。


・どうしても出ないときは病院へ

便秘で病院なんて…、と思うかもしれませんが、便秘が長く続くと頭痛や吐き気などが起き、生活に支障が出てきてしまいます。過敏性腸症候群や腸捻転、腸閉塞、大腸がんなどの病気による便秘の可能性も。あまりにもひどい痛みを感じたときは、早めに病院へ行くようにしましょう。

食中毒や胃腸炎など、細菌性の腹痛に見舞われないためには、ふだん、どんなことに気をつけたらいいか、どんなケアをしたらいいのかをご紹介します。


・口に触れるものに細心の注意を!

口の中にはさまざまな細菌が生息しています。ふだんは唾液による自浄の働きで洗い流されますが、疲労やストレスなどで免疫力が低下すると、増殖し、病気を引き起こすことがあります。

1)飲みかけの飲料
ペットボトルや缶などは、一度口をつけると、そこから細菌が飲料に入り込みます。時間が経過すると細菌が増殖し、体調不良を引き起こすものに変化することもありますし、腹痛や下痢・嘔吐のような症状が特徴の大腸菌や、舌にヒリヒリとした痛み・口角が切れるような症状が現れるカンジタ菌が存在することがあります。

飲みかけのペットボトルやコップ、食後から時間が経過した箸やスプーン、フォークのような食器には口をつけず、菌が体内に入らないように心がけることが重要です。

2)化粧品
口紅、グロス、リップクリームなど、口に直接触れる化粧品も細菌による悪影響を受けています。使ったあとは唇につけた部分をティッシュで拭き、さらに本体やキャップも清潔に保つようにしましょう。 

口紅などのメイク用品は油性がベースになっているものが多く、空気に触れると酸化が進み、使うたびに細菌が繁殖してカビなどが発生することがあります。食べ物や飲料と同じく、腐ってしまうことも!そんな状態のものが口に触れれば、腹痛を招くことは言うまでもありません。開封したら早めに(約3ヶ月)使い切るようにしましょう。

ちなみに、マスカラやアイライナーンなどの目に触れる化粧品もトラブルを招きやすいので要注意です。特にマスカラは、使用後ブラシについたマスカラ液をしっかりティッシュで拭き取るようにし、人に貸し借りすることも辞めましょう。コンタクトレンズも、本体や保存液に細菌が繁殖して目のトラブルを招くことがあります。使用期限を守り、常に清潔に保つようにしてください。
急な腹痛で大事なデートや仕事が台無しに!…なんてことがないように、衛生的で健康な生活と十分な休息を心がけましょう。万が一、腹痛に襲われてしまったら、落ち着いて対処することが大切ですよ!


※この記事は、以下の記事を再編集・追記して作成されたものです。
・医者の卵がお教えします!外出先で突然お腹が痛くなったときの正しい対処法とは?
・生理痛をやわらげる食べもの・3つ
・PMS・生理痛を和らげる手軽なフルーツ・4選
・つらい便秘を解消するには
・口紅、リップクリーム、ペットボトル……細菌増殖による体調不良に要注意!


(ハウコレ編集部)

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