2017.08.31 更新

『新感染ファイナル・エクスプレス』はホラーを越えた異色のワクワク・ゾンビ映画!

ヤベーのがきたわよ。ゾンビ映画。それも、ほのかに感動しちゃうヤツ。
それが韓国映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』

ゾンビっていうと、ジャンルで言えばホラー。なのに、これ、ホラーじゃないのよ!おかげで、ホラー映画はほぼ紹介することがない女性誌の数々に掲載されている異常事態発生!
ゾンビでホラーじゃないってなにそれ?って感じよね。
でも、最近のゾンビものって、じつはホラーからはかけ離れたものが多く作られているのよ。

たとえば、Huluなどで大人気のアメリカのドラマ『ウォーキング・デッド』。
タイトルそのままのゾンビもの、なんだけど、ゾンビ感染が広がりすぎて人間の方がマイノリティになってしまった世界を舞台に、生き残った人間達の愚かさや浅ましさを浮き彫りにしたシリアスなドラマなの。

他にもあるわよ。映画『ゾンビランド』とか『ショーン・オブ・ザ・デッド』とか。

こちらはコメディ要素を強くしながらも、ゾンビ社会で生き残っちゃった人間達のサバイバルものね。
いずれのゾンビも、突然現れてガブッ!っていう怖がらせタイプではなくて、もうそこかしこにウヨウヨといて、人間が息を潜めていないといけない状況。そういうときこそ、人って本性をあらわにするっていう皮肉も込めているのよね。

で、『新感染~』。これもそのタイプの映画なの。
しかも『ウォーキング・デッド』のシリアスさがありながら、コントかよ!とつっこみたくなるくらいにコメディ的な要素もあり、しかも最後はまさかの感動すらあるという、超絶バランスがいいゾンビ映画なの。

各国映画祭で公開されたのを皮切りに、話題は沸騰。上映された国のどこでも大好評で、それこそ男女問わずに大人気を博したのよ~。
簡単にストーリーをご紹介するわね。ソウルで仕事中心の生活で妻と別居中のソクは、愛娘スアンの誕生日のおねだりで、妻の暮らす釜山に行くことに。

ソウル駅から特急で釜山に向かおうとするんだけど、そのころソウル市内ではゾンビウイルス感染者が急増して、治安が急激に悪化。駅にもゾンビ化した感染者が流れ込んできたの。



そんな中、特急は出発。でも、車内には感染者が乗り込んでいて、一人、また一人と感染者が急増。それに気づいた乗客は、戸を閉めてゾンビを隔離するが……。

ここから先は劇場でちゃんと観てほしいわ~(じつはこれで物語の序盤だけよ)。

最初からハイテンションで、ゾンビ登場までの出し惜しみゼロ。
ゾンビ化した人がソッコーで人に襲いかかって増殖しまくるから、ゾンビに襲われるシーン自体はあまりこわくないの。しかも、ゾンビ登場のときは「確実にこの後でる!」っていう、絶妙な間合いがあるから、ドッキリもなし。なのに、どうしてこの映画が人を惹きつけるかっていったら、サバイバー達の人間模様が面白いからなのね。

主人公のソクとスアンの関係はそもそも冷え切っている父子関係だったりするから、どうやって結束していくかっていうところが見どころになるし、そのほかのキャラも濃いのがそろってるのよ。



たとえば高校生の野球部ご一行様とか、政府になぜかコネのある高速バス会社のおじさんとか、ちょっとコワモテで荒っぽそうな巨漢さんとか(じつは妊娠中の奥さんとの旅行中)。

登場キャラそれぞれの性格を短くも丁寧に描いているから、どんどん引き込まれていっちゃう。
その生き残りの人達が、知恵を絞ってどうすれば無事でいられるか、ゾンビの特性はどこにあるのか、っていうことを暗中模索するんだけど、それはもうスリリングで、しかも謎解きのようなワクワク感すらあるのよ!
あー、もー、これは観た人同士で語りたい! 

2D(字幕・吹替)、4DX(吹替)と上映スタイルもいろいろあるから、何度でも楽しめそうよ。
あ、しかもコレ、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場だけの限定になっちゃうけど、スクリーンXっていう上映スタイルもあるの。
(http://www.unitedcinemas.jp/screenx/index.html)

なんとこれ、前面だけでなく左右にもスクリーンがあって270度の視界をカバーし、映画の世界に完全にドップリいけるっていう新システム。席が揺れたり風が吹いたりする4DXはアトラクションっぽく観られるし、スクリーンXだとどこを向いても『新感染』の中。

もちろん通常の2Dで観てもおもしろいけど、フォーマットを変えて2度観、3度観もできちゃうわよ~。お友だちとキャーキャーいいながらエンジョイしちゃって!(よしひろまさみち/ライター)


『新感染 ファイナル・エクスプレス』
監督:ヨン・サンホ 出演:コン・ユ、キム・スアン、チョン・ユミ、マ・ドンソク ほか
配給:ツイン 公開:9月1日より、新宿ピカデリーほか全国ロードショー
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(ハウコレ編集部)

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