2018.11.01

時間じゃなくて歴史。私と彼の恋が「愛」に変わるとき

高校の退屈な授業中に、国語辞典で「恋」とか「愛」を調べたことのある女子が少なからずいるように、おそらく誰もが一度は恋と愛の違いについて考えたことがあると思います。
「彼のことが好き」の「好き」は恋なのか、愛なのか?「彼のことを愛してる」の「愛してる」は「恋してる」に置き換えることはできないのか?
などなど、今回は、愛と恋のちがいについて一緒に見ていきたいと思います。

■恋とは?愛とは?

恋とは、その人が持っているなんらかの性質に向けられるものです。たとえば「彼はかっこいいから好き」というのは、彼のかっこよさという性質に向けられている言葉だから、彼女は彼に恋しているということです。

一方、愛とは、その人そのものに向けられるもの。「彼のことを愛してる」というのは、彼のかっこよさも、優しい性格も、寂しがり屋な性格も、だらしないところも全部を含めた「彼自身(まるごと全部の彼)」のことが好き、ということになります。

よく「愛は与えて、恋は奪う」なんていう、誰が言い出したのかわからない名言(?)がネットに載っていますが、恋は彼のかっこよさのみに向けられ、愛は彼まるごとに向けられているというところから、うまく呑み込める言い方ではないかと思います。

■恋が愛に変わるとき

さて、おそらく誰もが彼のかっこよさや優しさなどというある特定の彼の性質から入って、その気持ちが徐々に愛に変わってゆき…ゆくゆくは愛一色で染まる恋愛をしたいと思っているのだろうけれど、それには歴史が必要です。時間じゃなくて歴史。

つまり、彼と一緒にあんなことをした、こんなこともした、という経験が必要になってきます。だから、たとえば、付き合って3ヵ月で別れたふたりというのは、恋が恋のままで終わってしまったということで、そこに愛の要素はほとんどないのです(だから次の恋に簡単に気持ちを切り替えることができる)。

歴史があれば、あなたと彼の恋は、より強固な愛に変わり、ふたりはさらにラブラブになれるのだけれど、では恋が愛に変わる具体的なきっかけってなんなのでしょうか?

■恋愛における最高の幸せとは?

これは究極的には「偶然性と奇跡性です」というのが答えじゃないかなと思います。
たとえば、彼とデートしているとき、偶然にも高齢者が道に迷っていて、彼が道を教えてあげている姿を見て、なぜか彼の全部が好きになった、という偶然性。そして、そういう彼の姿になぜか激しくあなたが感動したという奇跡性。

さらに言うなら、彼のかっこよさだって、偶然性と奇跡性によってできています。彼は偶然にも、かっこいい両親からかっこよく生まれ、この歳になるまでかっこよさを奇跡的にも維持できているというのが、究極的な見方でしょう。

彼だってあなたのことを偶然性と奇跡性で見ています。たとえばあなたの丸いおっぱいは、あなたが毎晩お手入れを欠かさなかったから生まれたもの、だけとは言い切れないですよね。偶然にも、奇跡的に、その形のおっぱいに育ったというのがホンネでしょう。
だから彼はあなたのおっぱいが大好きなのです。どのようにして生まれたのかわからないけれど、とにかく美しいおっぱい――つまり偶然性と奇跡性が寄り集まってできているものだから好きなのです。あなたが彼のかっこよさを愛でるのと同じです。


恋を愛に高めるには歴史が必要です。この世にふたりといないあなたと彼とで、1度限りのふたりだけの経験をたくさん積むことで、歴史は生まれます。つまり彼と遊ぶことで、偶然にも奇跡的にも、恋が愛に変わります。その変化の瞬間を何度も味わうことが、恋愛における最高の幸せなのです。

(ひとみしょう/作家)

『今夜はちょっと、恋の話をしよう』(ハウコレ編集部)

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