2015.11.08

あのコの恋愛事情 #年上の男マジックと現実 編

皆さんこんにちは。15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。ネイルサロンは不思議な空間。手を握り合ったまま過ごす約2時間。

手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。
親しいのに友人関係ではない。もしかしたら来月は会わないかもしれない。

近くて遠い関係だからこそ、プライドも恥もなく自分の真っ黒な本心さえも吐き出せてしまうのかもしれない。そんなサロンワーク中のみんなの恋のお話を切り取ってお送り致します。

※許可を頂いたものだけ掲載しています。
※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。

「年上」の甘い誘惑

「年上だったし頼りになると思ったのになぁ」とため息をつく本日のお客様。

不思議なもので、年上の彼と付き合う人、もしくは年上の夫を支える奥様の中で「彼って年上なせいかとっても頼りになるの!」と喜ぶ女性の少ないこと少ないこと。

いや、付き合って最初の一年くらいは「頼りになる」感じもするのに、長く側にいる女性達の口からは「頼りにならない」ため息ばかりが増えてくる。
年上だから頼りになると思ったから付き合ったのに、どうして頼りにならないんだろう?と内心思ったことがある人も多いはず。

「そもそもにして「頼りになる男」てどんなんでしょうね?」とお客様にも問いかけてみる。

爪を塗りながら熟考すること数時間。それはそれは我ながら身勝手な「頼りになる男像」が出来上がったのだ。

そもそもにして幻想なのかもしれない

道順とか、電車の乗り換えとか、前もって調べておくとか手間取ることなく知っていて欲しいよね!
隠れた名店みたいな、ミーハーじゃないレストランをいくつか知っていて欲しいよね!
金銭的にも体力的にもいつでも余裕を持っていて欲しいしね!
どんな時でも、起こったりイライラしたりせず「大人の男」でいて欲しいよね!
困った時はすぐに助けて欲しいよね!
私が悩みにぶつかった時、スムーズな解決方法なんかも提案して欲しいよね!
どんな時でも一番に守っていて欲しいよね!
どんな相手でも、スムーズに上手に交渉事を進行して欲しいよね!
どんなDIYもお手の物、業者いらずの器用さが欲しいよね!
水道が壊れてもトイレが溢れても彼ならすぐに直してくれるはず!
料理や掃除も人に頼らず、一通りは出来る大人でいて欲しいよね!
両親や友人、ペット、全世界の人に優しさを持って微笑んでいて欲しいよね!
もちろん、仕事の出来る男でどんな相手にも余裕を見せていて欲しいよね!
とにかく、全てを包み込むような余裕で、私をいつも包んでいて欲しいよね!!!


「頼りになる男」
もはやスーパーマンである。
空も飛んで、屋根も飛び越えてくれたらいいのにね。ハットリ君みたいに。

お客様とやいやい話しながら、お互いなんとなく「そんな男いるわけないよね」て腹の底からおかしくなってくるのである。

「いいえ!私の彼はまさにそんな人です!」とおっしゃる方には心から謝っておく。すみません。
私達がスーパーマンと出会ってないだけの人生かもしれないのだけれど、どうにも女性が求める「頼りになる男」の荷が重たすぎるような気がするのだ。


10年長く生きていようと、20年長く生きていようと、男であろうと女であろうと、出来ないものは出来ない。
地図を読むのが苦手な男性もいれば、血を見ると倒れる男性もいて、DIYなんか全く興味もない男性だってごまんといるのである。

女性だからって、化粧が好きなわけでもなく、料理ができるわけでもなく、掃除が得意なわけでもない、それと同じように。

オンナ達の「年上カッコイイ!」の憧れは中学生くらいからスタートする。先週までランドセルを背負っていた鼻タレ同級生とは全く違う、着慣れた雰囲気で制服を着こなす背の高い先輩達に出会うあの時期。自分より背の低い同級生達とは違う、170cm越えの逞しさ。
「先輩、カッコイイ!!!」

あの瞬間に「年上カッコイイ」「年上頼りになる(に違いない)」魔法がかかって、高校生になっても大学生になっても社会人になっても、一歩先行く「先輩」マジックにはまってゆくのかもしれない。

求めすぎるなかれ

「なんか・・・私、期待しすぎちゃってたのかも」とため息交じりのお客様も私も、年上マジックにかかった時期を懐かしく思ったこの日。
「頼りにならないんじゃなく、出来ないことは出来ないだけですよね。」
思わず、己の夢見る少女ぶりに反省してしまったお客様なのでした。

世の中には、ちょっと年上なだけで「よーしよしよし!」と、ムツゴロウさんの愛犬よろしく無条件で全ての面倒をみてかわいがってくれる男性もいるので、一概には言えないのだけれど、ずっと守ってかわいがってもらう為には、女性側の努力も必要なのではないかと思う今日この頃。

いつも健気にがんばる人だからこそ守りたくなる、いつも一生懸命だからこそ支えたくなる。そんなひたむきな女性である努力の上に「守ってあげなければ」という心理の元「頼りになる男性」が成り立つのかもしれない。


「理想の男性像は?」と聞かれた時に「頼りになる人」と答える皆さん。「頼りになる」の期待項目はなるべく少なくすることが「何か違う」を減らすポイントかもしれません。
先輩であっても男であっても年上であっても、できないことはできないのです。
だって、誰もが人間だもの(みつを) (川上あいこ/ライター)

(ハウコレ編集部)
(柳内良仁/カメラマン)

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