2015.11.21

コスパに優れない恋愛のほうが長持ちする

若い女子に取材をしていたら「恋愛のコスパ」について彼女たちが敏感になっていることに気づきます。
コスパ、コストパフォーマンス、つまり費用対効果。
この彼にこれだけのデートの時間を割いたのだから、これくらいの「成果」は手に入れないと……というようなことを考えている女子がいるということです。

女子は男子に比べて現実的な生き物だから、まあこういうことを考えるんだろうなと思います。
結婚となれば、もっとコスパに敏感になるはずです。
実家の経済レベル以下の暮らしはしたくないから、それなりに年収のいい男子としか結婚したくないとか、いろいろなことを考えるはずです。

でも、結婚のことはさておき、こと恋愛となると、コスパに優れない恋のほうが長持ちするものです。

恋愛の「意味」とは?

恋愛とは、相手のことを想い煩う(わずらう)という意味です。
つまり、相手のことを想い、相手になにかをしてあげたいと思い悩む……こういう心の動きが「恋愛」です。

さらに言えば、費用対効果を考えつつ、相手からなにかをもらうことが恋愛ではなく、じぶんが相手になにをしてあげたか、というのが、本当は「恋愛のすべて」です。

矢印は双方向にあるのではなく、一方通行ということです。一方通行の矢印を持つふたりがいるから、自然と双方向に矢印が向かって、恋が成立する。
友情とおなじことですよね。

だから、カップルで黙って夕焼けを見て「きれいだねえ」と言うような、コスパが極めて悪い恋愛のほうが、恋の本質に即しているということになります。

わが子になにかをしてあげるかのごとく・・・

恋愛にコスパを持ち出してくるということは、「そこまで相手のことが好きではない」ということです。
これは、もっと歳を重ねてゆけば、自然と理解できるようになるかもしれません。
たとえば、40歳を過ぎて、独身で子どもがいない女性がいます。この女性は、まるで「わが子になにかをしてあげるかのごとく」彼に尽くしていたりします。

もちろん「重たくないていどに」尽くしているわけですが、もう「わが子になにかをしてあげるかのごとく」としか表現できないような愛情を注いでいたりする。

20代くらいの女子で、40歳以上の男性と交際したことがあるひとは、こういうことがなんとなく肌感覚でわかると思います。
ひとって「だれかになにかをしてあげたい」と、純粋に思う心を持っているのだろうと思います。

スナックに取材に行っても、こういう事例はいっぱい見ることができます。
60歳も過ぎているお父さんが、わが娘に接するように、カウンターのなかの女子に接している……なにかをしてあげたい、なにかをしてあげることによって、「おれが生きていた証」を残したい。
こういうことだろうと思います。

でも若いうちは・・・

恋愛という言葉が、コスパという概念を含まない以上、恋愛にコスパを持ち込んでも、いい恋愛にはならない。

でも、若いうちは、どうしてもコスパに敏感になるというのも理解できます。若いとなぜか生き急ぐので、恋愛となればコスパ! 
これが悪いとは、だれも言えないように思う。

でも、年長者の恋愛でも眺めながら、「恋愛とは、相手のことを想い煩うという意味なので、相手のことを想い、相手になにかをしてあげたいと思う……こういう心の動きが恋愛なんだ」と、感じることも大事です。

もう、見ていて切ないくらいに「わが子になにかをするかのごとく」振る舞うんですよ、年長者は。

それは、そのひとが変態なのではなく、ひとという生き物が等しく持って生まれた、ひとつの心の動きなのだろうと思います。(ひとみしょう/ライター)

(ハウコレ編集部)
(古泉千里/モデル)
(柳内良仁/カメラマン)

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