2016.08.26

―あのコの恋愛事情― #わかりあえている二人独特の空気感をつくる 編

皆さんこんにちは。15万本以上の爪を施術してきたネイリストでスキンケアカウンセラーの川上あいこです。ネイルサロンは不思議な空間。

手を握り合っているからなのか、リラックスした密室空間がそうさせるのか、秘密の内緒話しを打ち明けて下さる方がとても多い場所でもあります。
そんなサロンワーク中のみんなの恋のお話を切り取ってお送り致します。

※許可を頂いたものだけ掲載しています。
※個人を特定できる情報が含まれないよう職業等にフィクションも織り交ぜています。ご了承ください。

◇「NO」を言う大切さ

「彼に『イヤだ』って言える関係ってうらやましいんです」
ネイルテーブルに座って手の消毒を始めた頃、ヒトミさんが自分の手を見つめながらいつもより暗い声でつぶやいた。消毒液を見つめていた目をあげて一瞬考えたけれど、そのまま聞いてみることにした。
「何かあったんですか?」
「すっごい些細なことなんですけど聞いてもらえます?」もちろんですとも。今日のネイルのデザインは、この話が終わってから相談しよう。

「例えば食事なんですけど、『何食べたい?』て聞かれるじゃないですか?洋食かなぁーて答えたのに『焼肉にしない?』なんて言われるときがあるんですよ」

「それ、何食べたいか聞いてる意味ないですね」思わず笑ってしまう。なんだろう?親切心で一応彼女の要望を聞いてはいるけど、心は焼肉と決まったうえでの質問なんてあんまり意味がない。
「焼肉かぁ・・・て言ったまま、焼肉に決まるんですけどね。その日は、その後に人と会う約束があったので臭いを付けたくなかったんですよ。でも言えなくて」
ヒトミさん優しいからなぁ、なんてぼんやり思って聞く。

「ごめん!今日は焼肉パス!てなんで言えないんだろう?って自己嫌悪になっちゃうんです。なんでも言い合える友達カップルがうらやましくって」

◇「嫌われる」恐怖

「ひとついいことを教えましょう」ふふふっと含み笑いをして答えてみました。人は「嫌われる」ことが怖い生き物です。でも「こんなこと言ったら嫌われるかな?」という「こんなこと」の基準はひとそれぞれ違うもの。「好き嫌いなくなんでも食べる子がいいなぁ」という価値観の彼に対して「女子なのに納豆なんて食べたら嫌われるかも」なんて勝手に思いこんで納豆をガマンする時間のなんと無意味なことよ。

「こんなこと言ったら嫌われるかも?」の価値観は勝手な自分の判断なわけで、それで嫌われるかどうかは、言ってみないとわからないのが現実なわけです。
「青い靴下じゃ彼女に嫌われるかも?」なんてそんなどうでもいいことを気にして、彼が青い靴下履くのを我慢してたら悲しくなりませんか?
「もっと本当のあなたを見せてよ」て。

恋人だけではなく、友人関係もそうですが、嫌われる恐怖ばかりに視点がいって「分かり合うこと」の努力をしない人間関係は何も築くことができなかったりします。

おわりに

恋人関係も友人関係も「関係を築く」ためには価値観の交換が必要です。「これは好き」「これは苦手」と伝え合うことは「相手の価値観を否定すること」とイコールではありません。

「焼肉とかおいしくないじゃん!」なんて、相手の価値観の否定をしたら関係は悪化しそうですが「これから人と会うから臭いを付けたくなくってね」と自分の価値観を提示したくらいで相手が怒るようなら、それは相手がこちらの価値観を否定してるってこと。

価値観を認めて交換し合える関係じゃなきゃ、付き合う期間の延長はできても、ふたりの間に特別な関係を築くのはなかなかむずかしいってもんです。

「今日、練習しましょう!私がネイルの提案をするので、ヒトミさんの価値観を私にいっぱい伝えてください」

ネイルサロンとか美容室って、そういう練習の場にはもってこいかもしれません。
「それは趣味じゃない」「全然好きじゃない」という否定ではなく「もう少しピンク系が好きです」とか「キラキラを少しだけ控えめにできますか?」という価値観の交換をしながら、自分の好きを集めていけますもんね。

彼氏相手でも友人相手でも「特別な関係」を築くためには「価値観の交換」はとっても大切な時間。

「NO!と言える日本人」なんていうキャッチフレーズが流行った時期もありましたが、否定するだけじゃそこで関係は崩れてしまうことが多めです。
相手の価値観を受け入れて、自分の価値観も伝えてみる。

ふたりの間に特別な関係を築いて「わかりあえているふたりだけの空気の流れ」みたいなものをつくりたいなら、彼に「NO」を伝えられる自分を目指してみましょう。(川上あいこ/ライター)

(ハウコレ編集部)

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