2011.12.11

いのちの救いかたを覚えていますか?医者の卵の救命処置チェックリスト

免許をとるとき、誰でも心臓マッサージや人工呼吸を習いますよね。
では、みなさんは今でもそれを覚えていますか。

いざというときにできなければ、あの講習は時間の無駄になるでしょう。
何より、目の前で救えるいのちが消えてしまいます。

救えるいのちは救いたいですよね。
では、チェックしてみましょう。

今回はどんどん参考にして実践してください。

はじめに

目の前で誰か(傷病者)が倒れていたとします。そんなとき、すぐに駆け寄る前にするべきことがあります。

それは、安全確認感染防御です。

誰かが倒れているのには理由があるはずです。もしそれが交通事故であるなら、まずは自分が車にぶつからないようにするのが先決です。

他にも、落盤事故なら二次災害に巻き込まれないように、あるいは有毒ガスなら自分がそのガスを吸い込まないようにしなければなりません。

これが安全確認です。

また、傷病者は全身からを流しているかも知れないし、嘔吐していることも、尿や便を漏らしていることもあります。

これらはすべて感染性です。つまり、傷病者が何らかの感染症に感染している場合、それらに触れたら自分も感染する可能性があるということです。

感染性のあるものには触らないようにする、これが感染防御です。

基本的に、一般の人が身を呈してまで救命救急を行う必要はありません。まずは自分の安全を確保したうえで、落ち着いて状況を判断しましょう。




このようなフェイスガード手袋があれば、もし傷病者が流血していたり嘔吐していても感染を防ぐことができます。

反応を確認する

傷病者の耳もとで

「大丈夫ですか」または「もしもし」

大声で呼びかけながら、を軽くたたき、反応を確かめます。

呼びかけに対して目を開けたり、返事をしたり、うるさそうな仕草をすれば「反応あり」と判断します。このときは傷病者の訴えを聞き、必要な応急手当を行います。
返事または目的のある仕草がなければ、「反応なし」と判断します。

助けを呼ぶ

反応がなければ、大声で助けを呼びます。

救命処置にはいくつかのステップがあるため、一人よりは複数のほうが効率が良く、救命の可能性も上がります。

「誰か来てください」または「人が倒れています」

など、呼びかたは何でも構わないので協力者を集めましょう。

複数の協力者が来たら、

「あなたは119番へ通報してください」
「あなたはAED自動体外式除細動器)を持ってきてください」

と要請します。

要請した人には必ず戻ってきてもらいましょう。上手くいったのかいかなかったのかを把握するためです。
救助者が一人である場合、あるいは協力者が誰もいない場合は、まず自分が119番通報することを優先しましょう。

気道を確保して呼吸を確認する

傷病者の呼吸は舌や吐瀉物によって妨げられている可能性があります。

まずは気道を確保しましょう。これは傷病者の喉の奥を広げて、空気を肺に通しやすくするためです。

具体的には、

  1. 片方の手をに当て
  2. もう片方の手の人差指と中指の2本をあご先に当て
  3. を後ろにのけぞらせ(頭部後屈
  4. あご先を上げます(顎先挙上

指で下あごの柔らかい部分を強く圧迫しないようにしましょう。

続いて、傷病者が正常な呼吸(普段どおりの息)をしているかどうかを確認します。

  1. 傷病者の気道を確保した状態で
  2. 自分の顔を傷病者のに向けながら
  3. 自分のを傷病者の口・鼻に近づける
  4. (10秒以内で)胸や腹部の上がり下がりを見て
  5. 息の音を聞いて
  6. 頬で息を感じる

救命救急の現場では、見て聞いて感じるのが基本とされています。

また、次の場合は「呼吸なし」と判断するので覚えておきましょう。

  • 胸や腹部の動き呼吸音吐く息が確認できない場合
  • 約10秒間確認しても呼吸の状態がよく分からない場合
  • しゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸がみられる場合

正常な呼吸が観察できない場合は、心臓マッサージ人工呼吸に移ります。

心臓マッサージと人工呼吸

心肺蘇生法では、心臓マッサージ胸骨圧迫)を30回連続して行ったあと、人工呼吸2回行います。これが1サイクルです。

ちなみに、前述の通り感染には十分な注意を払わなければいけません。つまり、感染の危険があるようであれば、人工呼吸は省略して構いません。

大切なのは、救急隊AEDが到着するまで、このサイクルを絶え間なく続けることです。

もし救助者が2人以上いれば、2分間(もしくは5サイクル)を目安に交代します。
傷病者がうめき声を出したり、普段どおりの息をし始めた場合、心肺蘇生法を中止します。
救急隊が到着しても心肺蘇生法をあわてて中止せずに、救急隊の指示に従います。

具体的に、人工マッサージ(胸骨圧迫)では

  • 胸の真ん中(乳頭と乳頭の真ん中)を圧迫
  • 強く(胸が約5cm沈むまで)
  • 速く1分間100回のテンポ)
  • 絶え間なく(30回連続)
  • 圧迫と圧迫の間は力を抜く(胸から手を離さずに)

また、人工呼吸では

  • マウスtoマウスで息を吹き込む(をつまみながら)
  • が空気で膨らむまで
  • 1回に約1秒間かけて
  • 2回続けて試みる

のポイントに注意しましょう。

反応はないが正常な呼吸をしている場合、回復体位をとらせます。
回復体位とは、下あごを前に出し、上側の手の甲に傷病者の顔をのせ、上側の膝を約90度曲げた姿勢のことです。

おわりに

現役のお医者さんによれば、救命救急で大切な事は「とにかく頑張る」ことであるようです。

人工マッサージ胸骨圧迫)も人工呼吸も、実際には体力的にかなりの重労働です。ところが、心肺蘇生法をどれだけ頑張っても、それは人間のからだの働きの50〜70パーセントしか補えません。

つまり、少しでも手を抜けば傷病者のいのちは救えないということです。

この行為の重みが伝わったでしょうか。

一度は誰もが習う救命救急法ですが、ぜひこの機会にもう一度思い出してみましょう。それだけで救えるいのちがあるのですから。

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