2010.10.22

新築マンションの値切り方

定価を決めている新築マンションでも、交渉次第では値引きしてくれる。コトと次第によるが、試してみる価値はありますよ。

値引き販売は常識化したか

値引き販売は、昔は表に一切出さず、こそこそと水面下で、先に購入者した客に気付かれないように行っていました。
ところが、数年前頃からは、「価格改定」、「新価格」などと広告に堂々と打ち出す業者も出てきました。販売途中でこれをやりますと、先に定価で購入した客には何とも割り切れない思いが起きます。

売主に対して不公平を理由として訴訟を起こす人もあります。しかし、裁判では、商行為として不正とは言えないとして、売主勝訴の判決が何件も出ています。
そうした経緯からか、最近の状況では値引き販売については、当然あるものだと認識している買い手も多いと思われます。

クレームをいやがる売主

「モデルルームの格安販売」は、定価販売した契約者とのトラブルを避ける最も有効な手法として一般化しています。広告に、「何ヶ月間モデルルームとして使用」と表示して限定1戸とか2戸とかを販売します。

その住戸を販売し終わると、別の住戸をモデルルームとして値引き販売するのです。このようにして、モデルルームを次々に設定し、それを堂々と値引き販売していきます。
「モデルルームや、販売事務所として使用したから」というのが、値引きの大義名分になり、既契約者からのクレームを防止できるのです。

どのくらい安くなるか

どのくらい安くなるのかが気になるところですが、マンションの粗利は20%しかなく、そこから広告費その他の販売経費を引いた実質利益は10%前後になります。10%の利益で経営するのですから、売れ残りはマンション事業者にとって死活問題になるといっても過言ではありません。

しかし、少しの在庫であれば、1~2割値引きしたとしても全体では利益を確保できるのですから、思い切って2割引きで早期完売しようという計画もありうるのです。

東京都区部のマンションなら平均で5,190万円(2009年)もしますから、2割引なら約1,000万円引きで販売するという話です。従って、300万円とか500万円引きなどは驚くに当たらないことになるでしょう。

「一切値引きはしない」は、建前・ポーズであることが多い

販売が順調ならば、売主も強気ですから、「ご勘弁ください」と値引き交渉に応じないでしょう。しかし、それでも粘って交渉すれば、価格以外のサービスを何がしか提供してくれることがあります。

例えば、「モデルルームに展示していた家具」や「登記料の売主負担」、「駐車料5年分無料(売主負担)」といったものです。

建物完成前後がチャンス

値引き交渉の成果が期待できる時期というものがあります。
建物が完成に近づいて在庫が多数あるときです。学期の変わり目の3月引き渡しというマンションが多いのですが、3月は売主の決算期でもあります。

できるだけ多く3月中に引き渡しをしてしまいたい売主は、1月から3月初めにかけて販売を急ぎます。目標が決まっていて、足りない売主は特に販促に拍車をかける時期に当たります。

このときは、思い切って大きな金額をぶつけてみましょう。交渉術に長けている人は、駄目でもともとの精神で臨むものです。

こう言ってみよう

相手が売り急いでいるようなときは、ズバリ「ちょっとおまけしてくれたらここで決めますが、どうですか」と言うことですね。当然「いくらですか」と聞いてくるでしょうから、そのとき平然と大きな金額を言うのです。

理由など説明する必要はありません。安い方がいいに決まっているのですから。
百万円と言って百万円になるよりは、1千万円と言うほうが、5百万円は無理でも3百万円の値引きを勝ち取ることができるかもしれません。

最初は、「それはとても無理です」と答えるでしょう。そうなったら、「では、いくらなら勉強してくれますか」と切り込めばいいのです。「ちょっと上と相談しませんと・・・」と反応したら脈ありですね。
こうした駆け引きが苦手な人や、値引き交渉をしたことのない人は、「何かおまけは付かないのでしょうか」から口火を切ってはどうでしょうか。

値引きマンションは本当にお買い得かを冷静に考えてみる

広告に堂々と表示して値引き販売中のマンションを検討する際に注意したいのは、値引きしないと売れないマンションだという事実をどう判断するかという点です。商品が悪いとか、欠陥があるとかいうことではありません。そういう物件もありましょうが、市況が急に悪化したために売れ残ったというものもありますし、数が多過ぎて残ってしまったというケースもあります。

しかし、多くの場合は価格設定を誤ったケースです。必ずしも、不当な利益を目論んだわけではないのですが、想定外のコストアップが起き、そのまま分譲価格に乗せて強気に出発したケースが代表例です。
こういうケースは、値引きした後の価格が適正だったのかもしれません。つまり、値引きは、必ずしもお得とは言えない場合もあることを覚えておきましょう。

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