
娘の初めてのメッセージを直そうとした俺に、妻が返した「直さないで」の意味
コラム
渡された1枚の紙
帰宅すると娘は眠っていて、妻は台所の机の前に座っていました。渡されたのは、鉛筆の跡が何重にもなった1枚の紙です。「おかあさんだいすき」。書いては消し、消しては書いた下書きでした。妻は、出かける前に娘が口にしていた言葉も教えてくれました。間違えたら怒られるのかと、娘は妻に聞いていたそうです。
「初めての手紙の返事が赤ペンだったら、嫌でしょう」
消しゴムの跡を指でなぞりながら、名前の紙をしまった娘の背中を思い出しました。あのときも俺は、書けたことより先に、間違いを見ていたのです。娘が最初に受け取るはずだった返事は、今度もそういうものになるところでした。「そうだな」とだけ返しました。
そして...
次の日、仕事の合間にグループチャットを開き、娘に向けて打ちました。
「おとうさんも、だいすき」
変換候補に「大」が出ましたが、その日は選びませんでした。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























