
「もう店に着いてるよ。3回目だよね」と送った私に、彼から返ってきたのは「ドタキャンくらい許せよ」でした
コラム
連れは来ないと店員さんに伝えると、向かいの「予約席」のカードがそっと下げられました。水のグラスは2つ並んだまま。手元のスマホには、彼から届いた短い一行が残っていました。
3回目の「行けなくなった」
付き合って1年半になる彼は、行きたい店を見つけるのが得意です。ただ、予約を取るのはいつも私の役目でした。この日のパスタの店も、彼がずっと行きたがっていた場所です。
席に案内され、メニューを開いたところで通知が鳴りました。画面の一番上に、彼の名前。
「ごめん、今日行けなくなった。仕事で抜けられない」
既読をつけたまま、メニューの文字を目でなぞりました。前の2回も、私は「大丈夫だよ」と返しています。今回は、それを打つ前に指が別の言葉を選びました。
「もう店に着いてるよ。3回目だよね」
返信は、店員さんが水を注ぎ足しに来る前に届きました。
「ドタキャンくらい許せよ」
許すことと待つことを、分けて考えた
最後の一言が、ひどく心に刺さりました。今日のために空けた予定のこと、前の2回のこと。それを踏まえて返信しました。
「わかった。今日は一人で食べて帰るね」
彼が食べたがっていたパスタを、一人で注文しました。おいしいのに、感想を言う相手がいないパスタでした。会計を済ませて外に出ると、予約サイトのアプリを開き、彼と行く予定だった店のブックマークを1つずつ外していきました。最後にアプリごと消してしまいました。
責める言葉は、最後まで思いつきませんでした。ただ、待つ側の自分をやめたかっただけです。
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「また予約してよ」への返事

























