
翌週から変わった夫のメッセージの時間、平日の食卓に初めて唐揚げの大皿が出た日
コラム
平日の夫の皿が、なぜいつも1枚にまとまっているのか。夫は知らないまま笑っていました。言い返す代わりに、私はエプロンで手をふいてリビングへ向かいます。
大皿に唐揚げを山盛りにして運ぶと、ソファの2人から同時に声が上がりました。夫が職場の同期を家に招いたのは、結婚して3年で初めてのことです。張り切って用意した料理が、夫の冗談の種になるとは思っていませんでした。
同期の前で夫が指さした大皿
「店のみたいだな」
同期の男性が箸を伸ばしながら言うと、夫は笑って大皿を指さしました。
「今日は豪華だけど、俺の飯だけ手抜きだろ」
同期もつられて笑い、私もキッチンから笑顔を返しました。ただ、油に入れかけた次の1個は、菜箸の先に挟んだままでした。
夫の帰りは平日ほとんど遅く、「今から帰る」と届くのは、私が食べ終えて片付けを始めたころ。だから夫の分は、電子レンジ1回で温まるように1枚の皿にまとめていました。揚げ物は温め直すと衣がしんなりするので、煮物や焼き魚が中心です。夫の目には、その1枚が手抜きに映っていたのでしょう。
言い返す代わりに選んだ質問
ここで怒れば、同期の前で夫の顔をつぶすだけ。かといって笑って流せば、あの皿は明日からも「手抜き」のままです。火を止め、エプロンで手をふいてリビングへ向かいました。
「じゃあ、明日から揚げたてで出そうか。何時に帰ってくる?」
夫はスマホを取り出して画面を見ましたが、そこに答えが載っているはずもありません。
「いや、それは、日によるっていうか」
口ごもる夫の横で、同期が吹き出しました。
「お前、いつもフロアの電気消す係じゃん」
夫は頭をかいて、唐揚げを1つ口に放り込みました。責めたかったわけではありません。帰る時間が分からないままキッチンに立つ側のことを、1度だけ考えてほしかったのです。
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流しの前で聞かれた理由





























