
特売のサツマイモを3本、なんとなく買って帰った俺。妻に廊下へ呼ばれた日
コラム
芋を抱えて下を向いた息子を見て、何かを外したことだけは分かりました。廊下で妻に言われて、玄関で芋を見せてきた息子の顔をようやく思い出したのです。
スーパーの青果売り場で、特売の札がついたサツマイモが目に入りました。家で芋のご飯を作ると聞いていたのを思い出し、なんとなく太いのを3本かごに入れました。台所であんな空気になるとは、レジに並んでいる間思ってもいませんでした。
玄関で見せてくれた2本
息子が幼稚園の芋ほりから帰ってきた日、玄関で真っ先に見せてくれたのが、あの2本でした。
「パパ、これぼくがほったの」
土のついた手で差し出された芋は細く曲がっていて、1本には大きな傷がありました。すごいな、と頭をなでたのを覚えています。それから芋は野菜室に移され、息子は幼稚園から帰るたびにそれをのぞいていました。
袋から出した3本
家に戻ると、妻と息子が並んでお米をといでいました。袋からテーブルに芋を出しながら、軽い気持ちで口にしました。
「せっかく作るなら、スーパーで買ったやつのほうがうまいし、形もいいだろ」
息子は下を向きました。冷蔵庫の絵にも、もう目を向けませんでした。何かを外したことだけは、息子の様子で分かりました。
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廊下で思い出した息子の顔




























