
元カノとの最後のやりとりで、俺があの日送らなかった続きの一文
コラム
「続きは、何だったの?」と届いたとき、迷わず返事を送れました。3年前に送れなかった続きを、まだ覚えていたからです。彼女にはまだ、伝えていないことが残っています。
新しいスマホにメッセージの履歴を移すと、元カノとのやりとりも、そのまま戻ってきました。最後に並んでいたのは、俺が送った一行と、その横の既読の表示だけ。3年間、その画面を開いたことは一度もありませんでした。
送信ボタンに触れた親指
3年前、彼女から、異動を受けることにした、だから別れようというメッセージが届きました。遠距離は無理だと言ったのは、確かに俺でした。
ソファに寝転んだまま返事を打っていた途中、スマホが肘掛けにぶつかって、親指が送信ボタンに触れました。
「俺と別れて幸せになれると思うな」
送るつもりだった文は、その先まで続いていました。画面には、すぐに既読がつきました。
読み返して、消した続き
慌てて「ら、それでいい。向こうでも元気で」と打ち足しました。送信する前に読み返してしまったのが、間違いでした。今さら言い訳を足す男に見える気がしたのです。
ひどい言葉のまま終われば、彼女は俺を悪者にして、迷わず新しい街へ行ける。そんな理屈を自分に言い聞かせました。けれど結局は、嫌われる形でもいいから、彼女の中に残っていたかっただけなのだと思います。
打った文を消して、アプリを閉じました。彼女からの返信は、それきり来ませんでした。
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3年ぶりに選んだ言い回し




























