
後輩の企画を自分の名前で出し続ける私。部長「これいいね、あなたらしい切り口だ」→その後の会議で後輩の一言により私の嘘が見事にバレた
恋愛
人の手柄を奪うつもりはなかった。最初はそう思っていました。でも振り返れば、最初から自分のためだったのかもしれません。これは、後輩の才能を利用し続けた結果、すべてを失った私のお話です。
最初の「つい」
あの子が入社してきたとき、正直に言えば脅威でした。センスがいい。発想が柔軟。何より、企画書を作るスピードが圧倒的に速いのです。入社1年目であのクオリティは、自分の3年目を軽く超えていました。最初に「これいいね、私から部長に出しておくよ」と言ったのは、あの子が入社して半年ほど経ったころのことでした。
後輩の企画を自分が推薦する形で出せば、後輩の評価も上がるし、自分の「育成力」もアピールできる。そう思っていたのです。でも部長が「これいいね、あなたらしい切り口だ」と口にした時、訂正しませんでした。「あの子の企画です」と言えば済む話でした。でも言いませんでした。
味をしめた
2件目からは、明確に意図がありました。自分の企画力が限界に来ていることは、誰より自分がわかっていたのです。同期はどんどん昇進していく。後から入った男性社員が先にチームリーダーになった。焦りの中であの子の企画書を見ると、「これを自分の名前で出せば」という考えが自然に浮かんでくるようになりました。あの子に「あの企画、私の名前が入ってなかったみたいなんですけど」と聞かれたとき、「あー、あれね。フォーマットの都合で名前の欄が一つしかなくて。でもちゃんと部長にはあなたの企画だって伝えてるよ」と答えました。
伝えていません。一度も伝えていないのです。あの子が「先輩のおかげです」と笑うたびに、胸の奥がチクリとしました。でもそのチクリは、翌朝には消えていました。
次のページへ
あの企画会議

























