同僚3人に別々の秘密を送った私が、半年後に先輩の口から確かめたこと

コラム

先輩が口にした「営業部の人と付き合ってるんでしょ?」の一言で、私はチャット一覧を開き直しました。3つの秘密のうち、口から出てきたのは1つだけでした。

送信済みの吹き出しが3つ、それぞれ別の同僚とのチャットに、同じ書き出しで並んでいました。

3人に3つの嘘を送った

入社3年目の職場で、私は同じ部署の同僚3人の口の軽さを、確かめないまま信じられずにいました。誰かの休みの理由が、翌日には別の部署まで届いている。そんな場面を何度か見てきたからです。そこで私は、3人それぞれのチャットに同じ書き出しを送りました。

「相談したいことあるんですけどいいですか?」

返事が来た順に、続けて打ちました。

「誰にも言わないでほしいんですけど」

その先に書いたのは、3人とも別の内容です。1人には転職のエージェントに登録していること、1人には副業でハンドメイドを売っていること、そして同僚には、こう送りました。

「実は、営業部の人と付き合ってるんです」

どれも本当ではありません。もし誰かの口から自分の話が戻ってきたら、その内容で相手がわかるように、あえて中身をばらばらにしました。同僚からは数分で返信が届きました。

「もちろん。誰にも言わない」

私はそのまま嘘の相談をし、そこで話は終わりました。

半年後、噂好きの先輩と2人で飲んだ

それから半年、誰とも相談内容について話しませんでした。忘れかけていた頃、噂話が好きで知られる先輩から誘いが届き、居酒屋で2人になりました。

ジョッキが半分ほど空いたところで、先輩は身を乗り出しました。

「営業部の人と付き合ってるんでしょ?」

私は箸を置き、先輩の顔を見ました。転職の話も、副業の話も、先輩の口からは出てきません。私はそのまま話を合わせ、先輩がほかに聞いていることはないかを、遠回しに探りました。出てくるのは営業部の話だけでした。

テーブルの下でスマホを開き、チャット一覧を上から辿りました。「実は、営業部の人と付き合ってるんです」の吹き出しがあるのは、あの同僚とのチャット1つだけです。

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