
「お客様は神様だろ!」と怒鳴られたレジで、後ろの女子高生が言った一言
コラム
「神様は、レジで人を怒鳴らないと思います」。列の後ろから届いた声に、怒鳴っていた男性は口をつぐみました。私が気になったのは、その人の声の大きさではありませんでした。
レジに置かれた払込用紙の期限欄を、私は2度読み直しました。仕事帰りの客で列が伸びる、いつものコンビニです。ところがその日は、いつもの手順どおりに会計を進めることができませんでした。
期限を1日過ぎた払込用紙
男性が差し出したのは、高校の教材費の払込用紙でした。バーコードを読み込む前に日付を確認するのは、店で決められた手順です。期限欄の日付は、1日だけ過ぎていました。
「こちら、期限が昨日までになっておりまして。お受けできない決まりなんです」
そう伝えると、男性はカウンターに両手をついて身を乗り出しました。
「そんなの店で何とかしろよ」
できないことはできないと、頭を下げながら繰り返すしかありませんでした。後ろには制服姿の女子高生が並び、その後ろにも客が増え始めていました。
店の奥まで届いた声
声は店の奥まで届く大きさでした。
「お客様は神様だろ!」
男性は用紙をカウンターに叩きつけるように置き、もう一度同じ言葉を繰り返しました。私はレジの画面と用紙の間で視線を往復させながら、次にどの言葉を言えば収まるのかを探していました。
そのとき、列の後ろから声がしました。
「神様は、レジで人を怒鳴らないと思います」
女子高生でした。お茶のペットボトルを1本持ったまま、男性の背中に向かって、はっきりと言い切っていました。
男性は振り返って女子高生を見ると、用紙を掴んで鞄に押し込み、そのまま自動ドアを抜けていきました。
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お茶1本だけの会計




























