
「画面を保存する女は怖い」と送ってきた彼→彼の方が私の画面を保存していた
コラム
誤送信で届いたのは、私がいつか彼に送った短いメッセージの画面でした。「保存する男は怖くないの」。そう打ち込んだあと、入力中の表示が何度も出ては消えました。
彼からのメッセージを開いたまま、私はスマホのアルバムをさかのぼっていました。そこには2年分の、彼とのやりとりの画面が並んでいます。消すつもりなんてなかったのに、指はもう一番古い1枚を選んでいました。
届いた1行に、身に覚えがあった
彼とは付き合って2年になります。営業職で帰りの遅い彼とは、平日はほとんどメッセージだけのやりとりでした。
その日、彼から届いたのは、前置きのない1行でした。
「画面を保存する女は怖い」
「急にどうしたの」
「SNSで見た。証拠にするために全部残しとくやつ」
「そういう人もいるだろうね」
既読はすぐにつきました。それきり、返信は来ません。
私は自分のアルバムを思い出していました。喧嘩のあとに届いた仲直りのメッセージ。記念日の約束。うれしかった日のやりとりを、私は画面ごと残していたのです。証拠のつもりなんて一度もありません。でも、彼から見たら同じことなのかもしれない。フォルダを長押しして、削除を押しました。
誤送信の1枚
数日後、彼から画像が1枚だけ届きました。
見覚えのある吹き出しでした。去年、彼が仕事で大きなミスをして落ち込んでいたころ、私が送ったメッセージです。
「無理しなくていいよ。帰ってきたら一緒にごはん食べよう」
送った私自身が忘れていた1行を、彼はアルバムに残していました。
「ごめん、間違えた」
私は画面を何度も上下に動かしました。怖いと言った本人が、私の画面を保存している。頭の中で、あの1行の意味がひっくり返っていきました。
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怖くないの、と打ち込んだ




























