
「俺の金はお前のもの」と言った俺が、「じゃあ私のお金は?」で初めて気づいたこと
コラム
全部渡すつもりなら、文句を言われる理由はないと思っていました。でも俺の中では、彼女の給料まで、いつの間にか同じ財布に入ることになっていました。
その形でいいか本人に聞いたことは、一度もありませんでした。
父と同じ家計にしたかった
彼女とは付き合って2年になります。結婚の話が具体的になり始めたころから、俺には決めていたことがありました。
結婚したら、給料は全部彼女に渡す。うちの父がそうしていたからです。父は給料を母に渡し、そこから小遣いを受け取っていました。「俺の金はお前のものだから」そう言って笑う父を、俺はずっと気前のいい人だと思っていました。
だから3か月前から、自分でも試していました。週の最初に財布へ入れるのは5,000円だけ。使った金額を紙に書き、カードはなるべく持ち歩かない。結婚したあと小遣いをもらう生活になっても困らないようにするつもりでした。彼女には話していませんでした。
1,000円しか残っていなかった日
駅前の定食屋で結婚後の話をしているうちに、俺は父の言葉をそのまま口にしました。
「結婚したら俺の金はお前のもの」
「何それ」
彼女は笑いました。俺にはかなり真面目な話でした。でも、父もその言葉のあとに詳しい説明などしていなかったので、俺も「だから」としか続けませんでした。
会計は2,600円。財布には1,000円札が1枚と小銭しか残っていませんでした。その日はカードも家に置いてきています。
「ごめん。カードも今日持ってない」
結局、彼女が2人分を払いました。財布の中には、3か月つけている小遣い帳も入っていました。さっき大きなことを言った直後にこれでは、どう見えるかくらいは分かりました。
次のページへ
俺の中では、彼女のお金まで決まっていた




























