「俺の金はお前のもの」と言った俺が、「じゃあ私のお金は?」で初めて気づいたこと

コラム

俺の中では、彼女のお金まで決まっていた

駅までの道で、彼女に聞かれました。

「さっきの、本気で言った?」

「本気だよ」

「財布に1,000円しかない人が?」

「だから、お前に持っててほしいんだよ」

俺の給料を渡して、そこから生活費や俺の小遣いを出してもらう。その意味で言いました。3日後、彼女に小遣い帳を見せました。

「結婚したら小遣い制になると思って、先にやってた」

「なんで?」

「うちの父親が、給料を全部母親に渡してたから。『俺の金はお前のもの』って、父親の口癖だった」

「私が管理するって決まってるの?」

「……いや」

そこで初めて、俺は答えに詰まりました。続けて彼女が聞きました。

「じゃあ、私のお給料は?」

俺の中では答えが決まっていました。

「それも一緒にしたらいいだろ」

彼女はすぐに返しました。

「誰が決めたの?」

言われるまで、おかしいと思っていませんでした。

「……俺」

そして...

俺は、自分の給料を全部渡すことを、相手を信頼している証明のように考えていました。その一方で、彼女の給料については、当然2人のお金になると思っていました。自分のものは渡す。相手のものも一緒にする。どちらも俺の中だけで決めた話でした。

「あなたのお金を私に渡すのも、私のお金を一緒にするのも、まだ2人で決めてないよ」

「うん」

彼女は小遣い帳を裏返し、「一緒に払うもの」「それぞれ払うもの」「貯めるもの」と書きました。

3か月続けていた5,000円生活をどうするかも、その日は決めませんでした。翌朝、俺は3か月ぶりにカードを財布へ戻しました。父のやり方を練習する前に、俺には彼女と決めることが残っていました。

(30代男性・設備メーカー営業)

本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。

(ハウコレ編集部)

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