「すみません」だけ送ってきた部下を叱った私→1週間後、新人から届いたメッセージで頭を下げることに

コラム

理由を聞かずに送った注意に、部下は謝ったあと「でも、間に合ってよかったです」とだけ返してきました。何が間に合ったのか、私には分かりませんでした。

会議室の後ろの列で、椅子が1つだけ空いていました。手元のスマホを確かめても、欠席の連絡は届いていません。チームの定例会議は、その席を空けたまま予定どおり始まりました。

会議室へ向かう途中で聞こえた声

空いていたのは、入社4年目の部下の席です。頼んだ仕事はいつも期限より前に仕上げてくる子で、会議に遅れたことも1度もありませんでした。

会議室へ向かう途中、新人の席のパーティションの向こうから、部下の声がしていました。

「大丈夫。こういうときは、まず直すのが先だから」

作業の相談でもしているのだろうと、足を止めずに通り過ぎました。

会議が始まって少したった頃、後ろのドアが開きました。入ってきたのは新人だけで、部下の姿はありませんでした。

なんで来ないの。連絡もなしに、無断欠席?

部下が報告する番になっても、ドアは開かないまま。空いた席に目をやるたび、進行表の端を指で折り曲げていました。

届いたのは「すみません」だけ

会議が終わって資料をまとめていると、スマホに部下からのメッセージが届きました。

「すみません」

理由も、今どこにいるのかも書かれていない、それだけの文面。遅刻すらしたことのない部下だからこそ、説明のなさが引っかかりました。

誰もいなくなった会議室で、返信を打ちました。

「会議、何の連絡もなく欠席するのは困るよ」

「何かあったなら、まずどうするか考えるのが先でしょ」

既読はすぐにつき、少し間を置いて返事が来ました。

「はい。すみません」

「でも、間に合ってよかったです」

何が間に合ったのか、見当もつきませんでした。「何のこと?」と打ちかけて消し、スマホを伏せて会議室を出ました。謝るのに事情は話さない部下が、そのときは少し頑なに見えたのです。

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