「男の話はダメで、女の話はいいんだね」皮肉を返した私に、彼から届いた「もうルールは無しにしたい」

コラム

皮肉を込めて返した一言に、彼から届いたのは短い謝罪と、ある提案でした。その意味を確かめるため、私はもう一度、あの先輩の話を送ってみることにします。

彼から届いた2通のメッセージを、ソファの上で読み返していました。職場の先輩に怒られたという報告のあとに、その先輩は女の人だと書き添えてあります。数日前、同じ画面で彼が私に送った一言が、そのまま頭に浮かびました。

先輩のプリンを報告しただけなのに

付き合って2年になる彼とは、その日の出来事をメッセージで送り合うのが習慣でした。あの日も、職場での小さな出来事をいつもの調子で送っただけです。

「先輩がみんなにプリン買ってきてくれた」

返信は、間を置かずに届きました。

「その先輩って男?」

質問の意図がつかめないまま、正直に打ちました。

「そうだけど、なんで?」

既読がついてから次のメッセージが来るまで、少し間がありました。

「男の話をすんなよ」

命令の形をした一行を、何度か読み直しました。プリンは部署全員に配られたものです。それを説明する文を打っては消し、結局送ったのは短い返事だけでした。

「わかった」

説明すれば言い訳に聞こえる気がして、彼の機嫌をこれ以上損ねたくもありませんでした。

当たり障りのない話題だけのやりとり

その日から、私のメッセージに職場の人は登場しなくなりました。ランチに何を食べたか、帰りに寄った本屋で何を買ったか。当たり障りのない話題を選ぶたびに、やりとりは短くなっていきます。彼の返信も、短い相づちばかりになりました。

そんな日が数日続いたあとに届いたのが、あの2通です。

「今日、職場の先輩に怒られた」

「その先輩、女の人なんだけど」

わざわざ性別を書き添える理由が、一つしか思いつきませんでした。自分は女の人の話をしてもいい、と言いたいのだろうか。あの日プリンの話を飲み込んだ自分が、急にばかばかしく思えてきます。

クッションを脇に押しやり、返信欄を開きました。

「男の話はダメで、女の話はいいんだね」

送信してすぐ、スマホを裏返してテーブルに置きました。

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