「先に言ってたら、今ごろ隣にいたの私だったかもね」と笑う友人→彼の返事は「知ってたよ」だけだった

コラム

帰り道に聞けたこと、聞けなかったこと

駅までの道で、私から切り出しました。

「知ってたって、いつから?」

「前に、本人から聞いた」

「それだけ?」

「ごめん。それ以上は、俺からは話せない」

彼はそう言って、歩く速さを私に合わせてくれます。はぐらかしている声ではありませんでした。けれど、私の知らないところで2人だけの話があったこと、それを3年間も黙っていたことが、どうしても引っかかってしまいました。

友人のあの言い方にも、彼は何も言い返しませんでした。私のために少しくらい怒ってくれてもいいのに。そう思う自分が子どもっぽく感じられて、自己嫌悪に陥りました。

そして...

帰りの電車で、友人とのチャット画面を開きました。「いつの話?」と打ったまま、送信ボタンの上で親指を浮かせて画面を眺めます。

友人に聞けば、答えはすぐに分かるのかもしれません。でも、彼が話せないと言ったことを、彼のいないところで確かめるのは違う気がしました。

打った文字を消して、画面を閉じます。聞くなら、彼に聞きたい。話してくれるのを待つと決めて、隣に座る彼の肩に少しだけ寄りかかりました。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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