「ごはん、ちゃんと食べた?」に首を振った夫→「専業主婦は楽」と言った夫が、1日家を任されて口にした一言

コラム

夫から届いたのは、麦茶の場所を聞くメッセージが一通だけ。既読のまま途絶えた返事の先で、帰宅した私を待っていたのは見慣れないリビングでした。

玄関で靴を履いていると、背中越しに息子の泣き声が大きくなりました。振り返りそうになるのをこらえて、ドアノブを回しました。家のことを丸ごと夫に任せて出かけるのは、結婚してから初めてでした。

食卓で聞いた一言

3歳の息子に食べさせながら、自分の皿がすっかり冷めていると気づいた時でした。向かいで缶ビールを開けた夫が、軽い調子で言いました。

「専業主婦は楽でいいよな」

スプーンを置いて、夫の顔を見ました。洗濯機を3回回し、公園と買い物をはしごした一日が、その言葉で「楽」の側に分けられてしまった気がしました。説明しても伝わらない。それなら見てもらうしかないと思いました。

「じゃあ、1日やってみる?」

「いいよ、余裕だろ」

夫は笑って缶を傾け、話はそこで終わりました。言い返したいことはいくつも浮かびましたが、先に息子の口の周りを拭いていました。

冷蔵庫に貼ったメモ

次の休みの前日、息子を寝かしつけてから、一日の流れをメモに書き出しました。起きる時間、ごはん、着替え、公園、洗濯、寝かしつけ。書くほどに項目は増え、全部は書ききれないと分かって、最後に短く書き添えて冷蔵庫に貼りました。

当日、家を出た私は駅前のカフェに入りました。好きなだけ座っていられるはずなのに、本を開いても同じ行を何度も読み返してばかりでした。

夫から届いたのは一通だけでした。

「麦茶ってどこ?」

「冷蔵庫の下の段だよ」

返したあと、既読がついたきり返事はありません。息子は泣いていないか、ごはんは食べたか。聞けば口を出してしまう気がして、画面を伏せてコーヒーを飲み干しました。

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