
「俺は聞いてない」と言い続けた俺。妻の連絡ノートを1週間、スマホで撮るだけだった
コラム
冷蔵庫の扉に貼られたノートの、2本の取り消し線。その下に何を書けばいいのか、ペンを持ったまましばらく迷いました。妻が知らない、最初の1週間の話です。妻には言えないまま、ページを撮るのが毎日の習慣になっていました。
聞いていたのに残らない
妻に何か伝えられるとき、俺は大抵ソファでスマホを見ていました。「うん」と返事はしている。けれど、あとになると本当に覚えていないのです。
だから「俺は聞いてない」と言うとき、嘘をついているつもりはありませんでした。ただ、聞き流していた自分を認めたくなかっただけ。妻に「言ったよ」と返されるたび、首をかしげてやり過ごしていました。
冷蔵庫にノートが貼られたのは、そんなやりとりが何度か続いたあとです。表紙の「連絡ノート」という字を見たとき、責められているように受け取っていました。
撮るだけの1週間
それでも、ビールを取るたびにノートは目に入ります。姉が来る日、ごみの日の変更。読んだだけではまた忘れそうで、スマホで撮っておくことにしました。会社で写真を見返せば、もう取りこぼさずに済みます。
ただ、書き込むことはできませんでした。「了解」と書けば、これまで聞いていなかったと自分で認めることになる。そう思うと、横に置かれたペンを取れなかったのです。カメラロールには、ノートの写真ばかりが増えていきました。
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2本線の下





























