
「俺は聞いてない」と言い続けた俺。妻の連絡ノートを1週間、スマホで撮るだけだった
コラム
2本線の下
8日目、ページの一番下に、線で消された書き込みがありました。
「どうせ読んでないよね」
2本の線の向こうでも、はっきり読めました。
毎日読んでいても、何も書かなければ、読んでいないのと同じに見える。妻がこれを書いたときと、消したときのことを考えると、写真で済ませていた1週間が急に言い訳のように思えました。ペンを取り、線の下に書きました。
「読んでる」
理由を書き足そうとして、やめました。長く書くほど、また言い訳になる気がしたからです。
そして...
それから、連絡の下に「了解」を書くようになりました。そのうち、会社の近くのパン屋が行列だったことや、エアコンのフィルターを掃除したことも書くように。口で言うには照れくさいことも、ノートなら書けました。妻から「今度そのパン屋、寄ってみて」と返ってきたときは、少し得意な気分でした。
先日、姉がまた来ると妻に言われたときは、スマホを置いて答えました。
「聞いた。ノートにも書いとく」
1冊目は残り数ページ。最後の行に書いた約束どおり、会社の帰りに2冊目のノートを選んでいます。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)






























