「俺と結婚できるだけありがたいと思え」と送ってきた彼→「使われないお金は、持ってないのと同じだよ」と返した私

コラム

考える時間がほしいと送ると、彼からメッセージが続けて届きました。席を替わってくれた日の姿を思い出しながら、画面を読み直しました。

マッチングアプリで出会った彼。その彼が、ある1通をきっかけに、まったく違う顔を見せ始めました。

頼もしさと、置いていかれる感覚

彼は収入も職業も申し分のない人でした。それ以上に惹かれたのは、初めて会った日のこと。冷房の真下の席で腕をさすっていた私に気づき、黙って席を替わってくれたのです。この人なら、と思えました。

好きな映画も休日の過ごし方も近く、3回の食事はどれも楽しいものでした。店も日取りも、2回目からは彼が決めるように。「店は俺が決めとく」「それでいいでしょ」と届くたび、頼もしさと、置いていかれるような感覚が半分ずつ残りました。

彼は将来のために投資をしていて、そのための節約も徹底しているそうです。食事の席でスマホの資産画面を見せながら「利益が出たら、全部次に回してるんだ」と話す顔は、少し得意げでした。

結婚を前提にという申し出

3回目の食事から帰った日、彼から届いたのは「結婚を前提に付き合ってほしい」という1通。嬉しい気持ちはありました。ただ、置いていかれるような感覚が、まだどこかに引っかかっていたのです。何度か打ち直して、こう送りました。

「ありがとう。すごく嬉しい。ただ、少しだけ考える時間がほしいな」

返事は、なかなか来ませんでした。ご飯の支度をしていても、目で追ってしまうのはフライパンの横のスマホばかり。やがて届いたのは、このメッセージでした。

「俺と結婚できるだけありがたいと思え」

間を置かずに、もう1通。

「金もあるし、頼りがいもある。お前が選ぶ立場じゃない。選ばれる側なんだよ」

コンロの火を止めて、同じ画面を上から読み直しました。席を替わってくれた人と、この文面を打った人が、どうしても重なりません。

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