
別れ際「俺を失ったら終わりだよ」と言った彼→色のある日常を取り戻した理由
コラム
3年ぶりに陶芸教室へ戻り、友人との旅行も再開した私。楽しい出来事を載せるたびに、ある名前が閲覧者一覧に並ぶようになりました。
合鍵を靴箱の上に置くと、小さな金属音が玄関に響きました。3年付き合った彼の部屋を出るのは、これが最後です。ドアノブに手をかけたとき、背中越しに彼の声が聞こえてきました。
「俺がいないと何もできないだろ」が口癖の彼
付き合い始めた頃の彼は、頼りがいのある人に見えていました。行き先も予定も、いつも彼が決めてくれます。それが心地よかったのは、最初の頃だけだったと思います。
「その服、似合ってないよ」
「友達と旅行?俺はどうするの」
「陶芸なんて意味ある?」
何かを選ぶたびに、彼の一言がついてきました。反論すると決まって返ってくるのが「俺がいないと何もできないだろ」という言葉。言われるたびに、そうなのかもしれないと思い込むようになっていきました。
気づけば通っていた陶芸教室をやめ、友人からの誘いも断るのが当たり前になりました。自分の予定を彼の機嫌で組み立てる毎日に、ある日ふと疲れてしまったのです。
別れ際に吐かれた一言
別れを切り出しても、彼は最後まで取り合おうとしませんでした。玄関で振り返ると、腕を組んで壁にもたれたまま、彼はこう言いました。
「俺を失ったら終わりだよ」
脅すでもなく、笑うでもない。決まりきったことを告げるような口調です。終わるかどうかを決めるのは、彼ではなく私のはず。そう思っても、言い争う気力はもう残っていませんでした。
「そうかもね。じゃあ、元気で」
それだけ言ってドアを閉め、駅までの道を歩きながら、最後まで見下ろすような言葉しか出てこなかった彼に、ため息が1つこぼれました。
次のページへ
3年ぶりのろくろ




























