「女の給料なんて、たかが知れてる」と妻に言った僕→それは子どものころ聞いた父の口癖でした

コラム

「無理して働かなくていいのに」と伝え続けたのは、妻を思ってのつもりでした。けれど妻に向けてしまったのは、子どものころ何度も聞いた言葉でした。

娘の寝かしつけを終えた妻がリビングに戻ってくる少し前、テーブルに開いたままのノートパソコンが目に入りました。また仕事を持ち帰ったのか。そう思うと、何度も伝えてきた言葉が、また頭に浮かびました。

母の背中と、父の口癖

僕の母は、昔からパートをかけもちしていました。帰ってくるなり台所に立ち、食卓でうたた寝をする姿を何度も見てきたものです。

そんな母に向かって、父はよく「女の給料なんて、たかが知れてる」と言っていました。

その意味も分からないまま、妻をあんなふうに疲れさせない大人になろうと決めていた子ども時代。就職してからは営業成績を積み上げ、収入も同世代の平均を上回るようになりました。

だからこそ、妻が出産後も時短で働き続けると聞いたとき、自分の稼ぎでは足りないと言われたような気がしました。「無理して働かなくていいのに」と何度伝えても、妻は仕事をやめませんでした。

口にしてしまった一言

リビングに戻ってきた妻に、立ったまま画面を指さしました。

「まだやってるの?中途半端に働くくらいなら、家にいてほしいんだけど」

妻はパソコンを閉じて椅子に座り、僕も向かいに腰を下ろしました。何も言わない妻を前にすると、責められているように感じてしまったのです。

「俺の稼ぎで十分やっていけてるだろ。女の給料なんて、たかが知れてるんだし」

言い終えてから、それが父の口癖そのままだったことに気づきました。

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