「ありがとう。約束どおり、これで最後にするね」元彼がその返事を選んだ理由を、自分だけが知っていた

コラム

迷った末に送ったのは、短いお祝いだけでした。既読がついてしばらくして届いた返信には、3年前の改札の前で交わした約束のことが書かれていました。

共通の友人の投稿に、見覚えのある横顔が写っていました。「2人ともおめでとう」という言葉が添えられた、元彼と知らない女性が並んで笑う写真です。何度かスクロールを戻したあと、彼とのチャット画面を開きました。

改札の前で、私が彼に頼んだこと

彼と別れたのは、転勤で遠くの街へ引っ越すことが決まったときでした。距離があっても続けようと言ってくれた彼に、別れを切り出したのは私です。連絡を取り合えば、仕事でつまずくたびに彼を頼ってしまう。それが分かっていたから、引っ越しの前日、改札の前でこう伝えました。

「連絡はもうしない。どっちかが結婚したら、そのときだけおめでとうって送ろう。それで最後にしよう」

彼は少し黙ってから、うなずきました。

打っては消して、最後に残った一言

あれから3年。チャット画面に「久しぶり。元気にしてる?」と打って、消しました。「写真見たよ。幸せそうだね」と打ち直して、それも消しました。どの文も、あの日決めた範囲からはみ出してしまう気がしたのです。

結局、送ったのは「結婚おめでとう」だけでした。

送信してすぐ、スマホを裏返してテーブルに置きました。数分おきに表へ返しては、既読の有無を確かめる繰り返し。既読がついてからも、返信はなかなか来ませんでした。

あの約束を覚えているのだろうか。急に何の用だと思われているかもしれない。冷めたお茶を飲み干して、また画面をのぞきました。

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