同棲中の家に彼の妹が突然住み着いた→1週間後、ソファの妹が「お兄ちゃんには言わないでほしいんだけど」

コラム

1週間後、テーブルに残ったお椀

1週間がたった日、帰宅するとテーブルにはまた、妹さんのお椀とグラスが残っていました。彼はまだ帰っていません。ソファの妹さんは、スマホから顔を上げませんでした。

この1週間、朝は浴室のドアの前で順番を待ち、夜は3人分の食器を洗ってきました。洗面所から、妹さんの小さな話し声が聞こえてきたこともありました。誰と話していたのかは、聞けないままです。このままの毎日がいつまで続くのか、見当もつきませんでした。

髪を乾かす時間も、彼と2人でいる時間も、少しずつ削られていくようでした。コートを脱ぐのも忘れてテーブルのお椀を見下ろしているうちに、1週間ためこんだ言葉が口をついて出ました。

「なんで私たちの家に来たの?」

思っていたより、硬い声になっていました。言ってしまってから、もう取り消せないことに気づき、肩にかけたままのバッグの持ち手を握りしめました。

妹さんはスマホを伏せ、ソファの上で座り直しました。ここに来てから初めて見る、笑っていない顔で、まっすぐこちらを見ていました。

そして...

「お兄ちゃんには言わないでほしいんだけど」

そう前置きした妹さんの声は、いつもより小さく聞こえました。だらしない子だとばかり思っていた妹さんにも、彼に言えずに抱えてきたものがあるらしい。そう感じたのは、このときが初めてでした。

なかなか開かない浴室のドアも、洗面所から聞こえた話し声も、同じところにつながっているのかもしれない。

私はお椀から目を離して、妹さんの次の言葉を待ちました。彼にも言えない理由とは、いったい何なのだろう。

(20代女性・事務職)

本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。

(ハウコレ編集部)

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