彼女の荷物にだけ口を出した俺→引っ越しの段ボールに自分が詰めていた物

コラム

「荷物が多い」と彼女を責めた俺。ところが自分の荷造りを始めると、見積もりの倍以上の箱が必要になりました。彼女には言えない理由がありました。

引っ越しの準備中、押し入れの奥から黒いケースが出てきました。中にあるのは、大学時代に使っていたギターです。

見積もり用紙の数字から目をそらした日

同棲を提案したのは俺でした。「引っ越し代は俺が出すよ」と約束していました。

見積もりでは、俺の荷物は9箱、彼女は25箱。トラックを大きくする必要があり、料金は予想より2万円ほど高くなりました。

その金額を見て、思わず彼女の洋服ラックに目が向きました。

「この服、全部持っていくの?」

そして、つい言ってしまいました。

「俺のは10箱もないし、増えてるのは、全部そっちの荷物だよ」

本当は、見積もりで増えた出費が不安だっただけです。

けれど、引っ越し代を出すと約束した手前、正直に言えませんでした。

押し入れの奥から出てきた大学時代

荷造りを始めると、見積もりに含まれていなかった押し入れの荷物が次々と出てきました。

大学時代のギターやエフェクター、楽譜にライブのチラシ。卒業から6年、一度も使っていない物ばかりです。

何度も処分しようとしましたが、思い出があって手放せませんでした。

彼女には、昔バンドをやっていたことも話していません。

そんなとき、「14箱まで減らしたよ」と彼女から連絡が来ました。

俺の段ボールは、すでに見積もりの9箱を超えています。

「助かる」

そう返すのが精一杯でした。自分だけ荷物を減らさずにいることを、言い出せなかったのです。

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