社内恋愛がばれた直後、相談もなく異動を決めた彼→辞令の後に会議室で部長から聞いた話で、私は泣いた

コラム

非常階段で理由を聞いても、彼の答えは短いものでした。数日後、会議室で部長に呼び止められた私は、思いがけない言葉をかけられます。

パソコンの右下に、人事部からの一斉メールの通知が出ました。開いた一覧の3番目には、向かいの席に座る彼の名前があります。異動先は、電車で1時間以上かかる郊外の営業所です。そんな話を、私は一度も聞いていませんでした。

休日のスーパーで、後輩に声をかけられて

彼とは同じ販促チームで、付き合って1年になります。彼はチームの主任で、私の企画書に最初に目を通す立場でした。仕事がやりにくくなるからと、職場では誰にも話していませんでした。

きっかけは休日のスーパーです。彼がかごを持ち、私が買い物メモを読み上げていたところで、後ろからチームの後輩に「あ、お疲れさまです」と声をかけられました。

翌日には、チームのほとんどが知っていました。オフィス外では「言ってくれればよかったのに」と笑われる程度でしたが、席に戻る途中、パーティションの向こうから声が聞こえてきました。

「春の企画、通ったのもそういうことか」

20回近く書き直した企画書のファイルを、その日は一度も開けないまま退勤しました。

笑い話にしたはずの一言と、決まっていた異動

その帰りは、彼が部屋に寄る約束でした。麦茶を注ぎながら、なるべく軽い調子で切り出しました。

「企画が通ったのも、そういうことかって言われちゃった」

グラスを受け取った彼は、テーブルの木目を見たまま黙ったままでした。空気を戻したくて、笑いながら付け足しました。

「私がどこか行けば、丸く収まるのかな」

「そんなこと、しなくていいよ」

彼は麦茶を一気に飲み、その話は終わりました。

一斉メールが届いたのは、それから3週間後です。「ちょっといいですか」と職場用の敬語で声をかけ、非常階段の踊り場まで彼を連れ出しました。

「異動、自分から出したの?」

「うん。俺から頼んだ」

「なんで一言も相談してくれなかったの」

「このほうがいいと思ったから」

手すりをつかんだまま続きを待っても、説明はありませんでした。

「2人のことなのに、勝手に決めないで」

「ごめん」

謝られると責める言葉も見つからず、先に階段を下りました。1人で決められるなら、私に話す意味はなかったのだろうか。その日から、仕事の用件以外で彼に話しかけるのをやめました。

数日後、春の企画の打ち合わせが終わると、部長に呼び止められました。

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