
「財布、パンパンだよ」レジで夫を注意した私→その夜、財布の一番奥から出てきた四つ折りの紙
コラム
カード入れの奥から出てきた紙を開くと、見覚えのない絵がありました。夫はそれを私の手から取ると、短く言っただけで寝室へ行ってしまいました。
スーパーのレジで、夫の財布からレシートが1枚、床に滑り落ちました。拾って渡すと、財布の口からはまだ何枚もの紙がはみ出しています。いつものことだと思っていたその財布を、その日、初めて自分の手で開くことになりました。
レシートがはみ出した財布
夫とは結婚して8年、6歳の娘と3人で暮らしています。夫は脱いだ上着を椅子にかけたままにするような人で、財布もその延長でした。レシートもポイントカードも、もらった順に押し込んでいくので、二つ折りの財布は閉じても口が開いたまま。小銭入れのボタンも、とうに留まらなくなっていました。
後ろに並ぶ人の視線を感じながら、私は小声で言いました。
「財布、パンパンだよ」
「あとでやるから」
夫は小銭を数えながら、こちらを見ずに答えました。この「あとで」を、もう何回聞いたか分かりません。
食卓に積み上がった白い紙
娘の寝かしつけを終えてリビングに戻ると、テーブルの端にあの財布が置いてありました。夫はソファでスマホを見ています。
「財布くらい片付けてよ。だらしないよ」
返事を待たずに、財布を手に取りました。お札入れの仕切りから、レシートがまとめて抜け出てきます。日付の消えかけた感熱紙、行った覚えのない店のスタンプカード、去年の日付のコンビニの控え。食卓の上に、白い紙の山ができていきました。
「いいよ、自分でやるって」
夫が立ち上がったとき、私の指はカード入れの一番奥に触れていました。レシートとは違う、少し厚みのある紙。小さく四つに折りたたまれていて、角だけがクレヨンの色で汚れていました。
引き抜いたその紙を、夫の目の前で開こうとしていました。
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クレヨンで描かれた顔




























