
店内で泣き続けた娘が、知らない女性のうさぎを「ぴょんちゃん」と呼んだ理由
コラム
舌打ちと「うるせえな」に、私はただ頭を下げました。料理を包んでもらおうと決めかけたとき、隣の席の女性がテーブルの間から身を乗り出しました。
その日の朝、実家の玄関で手を振る母の足元に、白いうさぎがちょこんと座っていました。帰省していた1週間、娘が「ぴょんちゃん」と呼んで離れなかった子です。乗り換えの駅ビルのレストランで、料理が運ばれてきてすぐ、娘は泣き出しました。
ばあばの家のぴょんちゃん
夫の仕事が立て込む時期で、娘と2人で私の実家に帰っていました。母は数年前から、庭の小屋でうさぎを飼っています。娘は起きている間じゅう小屋の前にしゃがみ込み、母と一緒に餌をあげていました。
帰り道、列車の時間まで少しあったので、窓際の2人掛けのテーブルにつきました。片側の隣にはスーツ姿の男性、もう片側には若い女性が座っていました。
料理が運ばれてきてすぐ、娘が泣き出しました。
「おうちかえる」
娘の言う「おうち」は、ばあばの家のことでした。
頭を下げるばかりだった私
私が背中をさすっても、お子さまプレートの旗を見せても、娘は泣きやみません。周りに小声で謝りながら、娘を抱き上げて顔を肩に押し当てていました。
少し落ち着きかけたところで、男性の席から大きな舌打ちが聞こえました。
「うるせえな」
「すみません」
反射的に頭を下げると、娘はまた大声で泣き出しました。料理を包んでもらって店を出よう。そう決めかけたとき、反対隣の女性が男性を睨んでいるのが見えました。
女性はバッグから何かを外し、テーブルの間から身を乗り出しました。
「ほら、うさぎさんだよ」
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窓の外に向けた顔


























