「お宅の子、乱暴ね」公園のすべり台で3度目の出来事。私は息子を信じきれなくなっていた

コラム

息子をすべり台の列に送り出し、砂場でスコップを並べていたとき、すべり台の上から泣き声が聞こえてきました。同じ幼稚園に通うママ友の、娘さんの声です。慌てて駆け寄ると、すべり台の下にはママ友の姿もありました。

すべり台の上で泣いていたのは

はしごの下から見上げると、息子が娘さんの服の袖をつかんでいました。娘さんは顔を真っ赤にして泣いています。

「手を離しなさい」

声をかけると息子はすぐに手を離し、娘さんはそのまますべり降りていきました。下にいたママ友に抱きつき、しゃくりあげながら言います。

「ひっぱられた」

ママ友は娘さんの頭をなでながら、こちらに顔を向けました。

「お宅の子、乱暴ね」

はしごを降りてきた息子は、何か言いたそうに口を開きます。

「だって」

「まずはごめんなさいでしょ」

少し間があってから、息子は娘さんに頭を下げました。

「……ごめんなさい」

私も何度も謝り、その場は収まりました。帰り道、息子は私の手を握ったまま、一度も顔を上げようとしません。

3度目の言葉

それから2週間のあいだに、同じことがあと2回ありました。泣いている娘さんと、袖をつかんだ息子。駆けつけるたびに、目に入る場面はほとんど変わりません。

3度目のとき、ママ友はため息まじりに言いました。

「お宅の子、乱暴ね」

「ちゃんと見ててあげてね」

周りのママたちの視線が、こちらに集まっていくのが分かりました。

家に帰り、湯船につかりながら息子に聞いてみました。

「どうして引っぱったの?」

「だって」

そこまで言うと、息子はお湯の表面を指でなぞり始めます。続きを待っても、出てきませんでした。同じ年の子より体が大きく、握る力も強い息子です。本人は軽くつかんだつもりでも、相手には痛いのかもしれない。そう考え始めると、家での何気ない場面まで疑わしく見えてきました。

次に公園へ行ったとき、私は息子をすべり台から遠ざけることにしました。ところがその日、いつもベンチから動かないママ友が、遊具の裏側へ回っていったのです。

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