
ママ友の子を乱暴だと決めつけていた私。年長の息子がこっそり耳打ちした一言
コラム
ベンチから見えるのは、すべり台の上の段の、すべり降りる側だけでした。そこで、同じ幼稚園に通うママ友の息子くんが、娘の服の袖をつかんでいたのです。泣き声を聞いて立ち上がったとき、私の中ではもう答えが決まっていました。
ベンチから見えていた場面
娘はおとなしく、嫌なことがあっても自分からは言い出せない子です。少なくとも、私はずっとそう思っていました。
すべり台の下に着いたとき、はしごのほうから「手を離しなさい」というママ友の声が聞こえました。すぐに娘がすべり降りてきて、私に抱きつきます。
「ひっぱられた」
その一言で十分でした。
「お宅の子、乱暴ね」
息子くんは何か言いかけたようにも見えましたが、ママ友に促されて、小さな声で謝ってくれました。そのときの私は、娘の頭をなでて涙を拭くので手一杯だったのです。
3度目に足した一言
それから2週間で、同じことがあと2回ありました。ベンチから見上げるたび、息子くんの手は娘の袖にかかっています。3度目には、ため息と一緒に言葉を足していました。
「お宅の子、乱暴ね」
「ちゃんと見ててあげてね」
言いすぎたかもしれない、とは思いました。それでも、娘を守れるのは私しかいないという気持ちのほうが強かったのです。
その帰り道、娘が少し先を歩いているときでした。年長の息子が私の手を引き、耳元に顔を寄せてきます。
「ママ、ぬかしてたの、いつも妹のほうだよ」
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柱の陰にあったもの


























