
「ひとりのほうが落ち着く」と彼に決められ、物置の隣の部屋へ→引き戸の向こうで聞いた一言
コラム
毛布を膝に、ひとりきりで
引き戸の向こうから、5人分の声が途切れずに届いてきました。グラスの当たる音、誰かの笑い声、彼の相づち。私は1組だけ敷かれた布団に座り、渡された毛布を膝にのせていました。
手を伸ばせば、物置の段ボールに届く距離です。私は、荷物のように端へ寄せられただけなのか。それとも、ただ気が回らなかっただけなのか。どちらでも、さみしさは同じでした。
そして...
どれくらい経った頃でしょうか。「やっぱり呼ぼうよ。1人だけ仲間外れはよくないよ」と、誰かが私の名前を口にしました。「断られたらそっとしておこう。一声だけかけよう」と、別の声も続きます。
短い相談のあと、引き戸を叩く音がしました。立っていたのは彼でした。「やっぱり一緒に飲まない?」と差し出された手に、私は毛布を抱え直してうなずきました。
大広間に戻ると、座布団が1つ足され、5つだったグラスが6つに増えます。私もみんなと一緒に笑い、誰も腰を上げないまま朝を迎えました。
(20代女性・会社員)
本記事は、ハウコレ読者への独自アンケートに寄せられた実体験をもとに制作していますが、個人が特定されないよう、一部設定を変更しています。
(ハウコレ編集部)

























