
妻の陶芸を段ボールに詰めた俺が、飾り棚の完成日を切り出せなかった理由
コラム
箱を開けない妻の横顔
その夜、妻は玄関から1度出て、しばらく戻ってきませんでした。翌日、仕事から帰ると、妻は廊下の箱の前に座っていました。開けない妻の横顔を見て、俺は蛇口を開いたまま、水が流れる音を聞いていました。図面を渡すタイミングを何度も測って、そのたびに口を閉じました。木箱が届く日まで待つ、と自分に言い訳をしていたのです。
そして...
飾り棚が届いた日、俺は妻の前で梱包を解きました。妻は箱を開け、棚の中央に青い釉薬の湯呑みを置きました。
「割れたら危ないから」
最初に俺が言うべきだった一言を、妻の湯呑みに向かって口に出しました。
(30代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)

























