
妻より先に起きて朝食を作り続けた俺が、手つかずの皿の前で気付いたこと
コラム
妻のためにと続けた朝食が、いつしか妻を追い詰めていました。箸を置いた妻がこぼした本音に、俺は自分の優しさの形を考え直すことになります。シンクに下げた皿の上で、目玉焼きは焼きたてのままの形を残していました。
良かれと思って続けた食卓
結婚してから、俺は妻より先に起きて台所に立つようになりました。共働きで帰りの遅い妻に、出勤前くらいはゆっくりしてほしかったからです。味噌汁に焼き魚、それに小鉢。品数を増やすたびに「ありがとう」と言ってもらえるのがうれしくて、献立は少しずつ豪華になっていきました。妻の箸が進まない日があっても、疲れているのだろうとしか考えていませんでした。
箸を持たない妻
その日、席に着いた妻は、湯気の立つ皿を前にしたまま箸に手を伸ばしませんでした。
「ごめん。今日は食べられない」
「口に合わなかった?」
「そうじゃないの。作ってくれるのは、うれしいの」
妻はそれだけ言うと、コーヒーも飲まずに家を出ていきました。片付けをしながら、俺はどこで間違えたのかを考え続けました。手間を惜しんだ覚えも、味を落とした覚えもありません。むしろ、前より頑張っていたはずでした。
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帰宅後に聞いた本音

























