
約束の15分前、いつも俺が立つ場所に彼女がいた→改札の脇で見た、あの日と同じ動き
コラム
あの日と同じ動き
そのやり方を続けてきて、彼女に先を越されたのは初めてでした。改札の脇から見ていると、顔を上げては出てくる人を確かめ、また画面に戻る。あの日と同じ動きです。
「まあね」で済ませたせいで、早く来てみようと思わせたのかもしれない。そう考えながら近づき、声をかけました。
「え、もう着いてたの?」
「暇だったから」
いたずらっぽく返されて、笑うまでに少し間が空きました。隣に並ぶと、彼女が言いました。
「この前、暇なのって言ってごめんね」
「いいよ。実際ちょっと暇だし」
本当のことを話すなら今だと分かっていながら、口から出たのはまた軽い言葉でした。あの日の彼女の姿を、本人の前で説明する勇気がなかったのです。
そして...
あれから、時計台の下に着いたら「時計台の下にいるよ」と送るようにしています。改札を出る前に、俺の居場所が分かるように。
理由は、まだ彼女に話していません。最近は彼女も少し早く来るようになりました。改札を抜けた彼女は、スマホを一度見ると、まっすぐこちらへ歩いてきます。
(20代男性・会社員)
本記事は、読者アンケートに寄せられた実体験をもとにした本人視点の記事を参考に、相手側の心情を想定して制作しています。実際の相手本人への取材ではなく、編集部による解釈を含みます。
(ハウコレ編集部)





























